まだ幼すぎる私の心を、いまだにその子守歌は眠りへと誘ってくれる・・・。
その子守歌は、私とアリスだけの特別な特権のようなそんな感じをその夜だけは感じられた。
今まで、アテナ先輩の歌を聴いていただけで、そんな感情など有り得なかったのにその日だけは特別だった。
先輩と私、そしてアリス・・・オレンジぷらねっとの後輩と先輩の一休みの休暇だから・・・。
アテナ:・・・寝ちゃったのね・・・。
夜はまだ長いにも関わらず、私達は眠ってしまった。
でもその日の疲れはアテナ先輩の歌声を聞いただけで癒された気がしたのだから・・・。
その、歌声の子守唄に・・・。
アリス:今度の休み、先輩と私、アテナ先輩で温泉に行きませんか?
唐突に呟かれた言葉に私は瞬きをしながら後輩であるアリスちゃんの表情を伺ったのであった。
先程、私は仕事を終えたばかりでオレンジぷらねっとに戻って来たばかりなのである。
:え、まぁ一応予定は空いてるけど・・・アリスちゃんは練習良いの?
私の質問にアリスは「でっかい大丈夫です・・・。」とだけ私の表情を見つめ告げたのであった。
そんなアリスの言葉に私は苦笑をし、そして今度の休暇温泉へ行くことを約束したのであった。
:えっと、これに・・・でもアリスちゃん急にどうしたんだろう?
休暇前日、私は準備をしながら隣の部屋にいるアリスちゃんとアテナを見つめながら疑問を感じた。
確かに私は余り休暇がとれず、忙しい毎日であったがそれでも暇は時折できるものだった。
考えてても拉致があかないので私は溜め息を吐きながら明日の為の準備を進めたのであった。
そして次の日が訪れたのであった。私は大人しく、いつもゴンドラの準備をする場所に、荷物を持って訪れた。
アリス:あ、先輩でっかい遅いです。もうアテナ先輩は来ていますよ。
その言葉に私は瞬きをしながら、アテナを見つめたのであった。
アテナ先輩は苦笑をしながらも、私にゴンドラに乗るように促したのであった。
:あの・・・アリスちゃん?
大人しくゴンドラに乗ったのは良いが、正直私は何処の温泉に行くのか聞いていない。
無論、アテナは「任せておけば大丈夫」というのでただ溜め息を吐いた。
それからアリスちゃんが大人しくゴンドラを漕ぎ始めながら、ただ周りの町並みを私は見つめていた。
そして数時間経った後、いつの間にか微かに眠りについていたのであった。
アテナ:ちゃん、着いたわ・・・。
その言葉に私は眠気が覚め、それから目的の場所を見つめ私はただ瞬きをしたのであった。
私はただ「温泉宿・・・。」とだけ呟いたのであった。
その場に一歩踏み入れれば、後は温泉の独特の硫黄の匂いが鼻に染みついたのであった。
そんな中、着替え場所に踏み入れればアリスちゃんに籠を渡されただ瞬きをした。
ようやく、眠気が微かに吹き飛んでから私は服を脱ぎ、階段を下り、その光景に見入っていた。
無論、私はこの温泉宿が家全体が温泉になっていることも知っていた。
そんな中、アリスちゃんとアテナが手を振るので私はその場に急いでいったのであった。
無論、アリスちゃんもアテナも温泉を楽しみ始めていたのであった。
:懐かしい・・・全く来なかったもの・・・。
そんな私の言葉にアリスちゃんはただ「先輩は息抜きしないと持ちませんよ」と語った。
そんなアリスちゃんの言葉に私はただ微かに苦笑をし「そうだね」と呟いたのであった。
それから数日、温泉を楽しんだ後、皆で夕食タイムに入ったのであった。
無論、アテナと私はお酒を、アリスちゃんはコーヒー牛乳を一気のみし、風呂上がりを楽しんでいた。
微かな優しい風に、微かに渇き始めた髪を靡かせていた・・・。
無論、そんな優しい風に、私達は心を癒されていたのであった。
そんな時、微かに耳に懐かしい歌声が響き渡ったのであった。
それは紛れもないアテナによるカンツォーネであった。私はただ瞬きをし、微かにアテナの表情を見つめた。
アテナの表情からは、昔のように楽しんで欲しい。今は息抜きの場所であることをただ悟っていた。
そんなアテナの表情を私は素直に受け入れ、ただアテナの歌声を聞いていた。
いつの間にか私も、そしてアリスちゃんも眠りについていた・・・・。
そんな私達をただアテナ先輩は微かに苦笑しながらも暖かい眼差しで見守っていた。
この時、私は思ったことがあった。私よりもアテナの方が一枚も二枚も上手なのだということを・・・。
〜 Fin 〜
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Music Box/Amor Kana 音羽 雪 by:安らぎの灯火 |