これはまだ私、と晃が一人前になる前の物語。
ただ目的は同じでも私と晃の性格は真っ逆さまのような天と地ほどの差がでる程の性格・・・。
:何よ!やるとでも思ってるの・・・馬鹿じゃない!
街中での喧嘩はもういつもの事で、私はもうなれてしまった・・・。
その行動にアリシアもアテナもなれてしまったから・・生活によってその態度も変わってしまうものだと思った。
晃:そっちこそ訓練を甘く見るな・・・。
言い合いは永遠に続く、でも何故かこれが終る日がいつかは来るのだろうと思ってしまった。
同じ同業者でも店屋によって違うものだから・・・仕方なかったのかも知れない。
もし同じでも恐らくはこんなふうにはなれなかったのかも知れなかった・・・。
喧嘩ばかりしているのも何故か不思議に思ってしまうから・・・。
例え、目的が同じでも・・・
半人前でも私は計画を立てながら頑張っていた。
でも晃には何故か私は怠けているように見えるらしい。
ま、性格に言えばアテナの方が晃達と行動を共にしている方が多かったから・・・。
逆に言えば私は単独行動をしている方が楽で、余り晃達と行動をしている事が少なかった。
晃:だったら私達と訓練していても文句はないはずだ・・・。
この喧嘩の理由も歌の訓練とかで、私は余り人前で歌をしかも知人に聞かせるのは嫌い。
歌声は綺麗だとか同業者に言われているけれども、実際は歌っている時は恥しい。
しかもそれもこういった街中で歌うのは余り好きではない。
仕事とはいえ余りなれないのが現実だった。
:歌の訓練は絶対嫌ぁ〜〜
そう大声で叫んでいても誰もこの喧嘩をアテナ達は気にしない。
何よりアリシア達はずっと微笑んでいるばかりで、ついつい溜め息が漏れてしまうのであった。
晃:いいか・・・私達はいつかは誰もが・・・。
その晃の説教が始まって私は耳を塞いでしまった。
そんな私の行動に晃はさらにイライラが増したのか顔から火が出る瞬間だった。
:毎度毎度・・同じ五月蝿い言葉を有り難う・・・。
何処か嫌みばかりをいう私、例え目的が同じでも犬猿のような仲だった。
何より、晃の説教は五月蝿いばかりで中々なれない。
晃:ほぉ〜いい度胸だな・・・。
うわぁ〜また始まったよ・・・この展開・・・。
毎度毎度のパターンでも、もううんざりなのよぉ〜ν
:わ・・悪かったわね・・だいたい歌は・・・
そんな喧嘩腰の話をしようとした瞬間に、晃は私の頭の上に手を置いた。
何か今日はいつもと違うようなそんなような・・・。
晃:いいか・・たまには私達と練習をしろ!
ひょっとして、この前私が風邪引いて訓練サボってた時の事?
って事は心配をしていたのかしら・・・・サボってた訳じゃないけど・・・。
でも風邪を引いて数週間寝込んでいたのは当たり前だった。
元々、身体は弱いほうで水先案内人を目指すって決めたから・・・。
勿論、両親からは大反対をされてしまった・・・。
水先案内人になるなら家で家業を継げなどいろいろと・・・。
:悪かったわね・・・こ・・・これからは気をつけるわよ・・。
そんな感じで照れながら語っていた・・・。
そうあの頃が本当に懐かしいと思ってしまった・・・。
晃:あの頃、私は余りお前の事を知らなかった・・・。
その後、何一つ変わらないで私達はお互いに水先案内人になった。
一人前になってからあの頃を思い出す事もなかったのに・・・。
:・・・ん・・あぁ私の家の事知ってたっけ・・・。
私は元々、水先案内人にならなくても実家の家業を継げば裕福に暮らせる身・・・。
でも何故か親のレールに乗るのが嫌いで、親から逃げてきたのが真実だった・・・。
晃:けど、お前水先案内人店の跡取り娘だろ?確か・・。
その後、どうやって晃が私の家柄の事を知ったのかは分からなかった。
今は簡単に言えば、後輩の藍華と同じような感情を持っていたのかも知れないけれども・・・。
:だから・・・オレンジぷらねっとにいるんでしょ・・
:本当は姫屋とかアリアカンパニーが良かったけど・・。
そう本当はオレンジぷらねっとに何て入社したくはなかった。
親達の反対を押し切ってまで、それでも親達は頑として私を手放す気はなくて・・・。
結局は親の頼みで私は頑固な感情を負け惜しみして、仕方がなくて私はオレンジぷらねっとに入社した。
元々、オレンジぷらねっとは親が経営している水先案内店だったから・・・・。
けれども水先案内人になって何かが変わったような気がする。
それが何だか昔の事に対して変わったのも真実だけれども、何処か懐かしくも思えた・・・あの頃が・・・。
晃:例え目標が同じでも人それぞれだな・・・感情は・・・。
空を見上げながら晃は私にそう呟いた。
そして私も同じように空を見つめていた。何一つあの頃と変わりない空に・・・。
:あんたとは永遠につるんでそうね・・忙しくてもこうやって再会している・・・。
空を見つめながら私は呟いた。
そんな言葉に晃は私の顔を見つめながら微かに微笑んでいた。
晃:変わらないな・・・私達の仲は・・・。
そう呟きながら本当に過去を思い出していた・・・。
けれども、何処か全て違っていたように見えて変わっていないのだと思った・・・。
それが本当の今の私達のありのままの姿なのだから・・・・。
〜 Fin 〜
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Music Box/VAGRANCY 志方あきこ by:いつまでも |