いつものように、私は半人前として修行をしていた訳なんだけど・・・。
それでも今日は、何故か会ってはならない人に会ってしまったようなそんな感じがした・・・。
晃:お前が何で此処にいる・・。
笑顔をして、私は小悪魔的スマイルで姉の幼馴染である晃さんを見つめる。
どうしてもいつも思ってしまう事がある・・・。この姉の幼馴染、晃さんは何故か苦手だ。
:あらあら・・。
何かのスイッチを踏んだらしく、私はそれでも笑顔を見つめる。
姉と違って私はアリアカンパニーではないにしろ、姫屋の晃さんにだけは・・・。
人差し指をさしても尚、私は小悪魔的スマイルをする事を忘れない。
どうしていつも会う方が多いんだろうか、しかも街中で・・・ν
晃:アリシア同様あらあら禁止
晃さんは何でもかんでも禁止命令を出すのね。翌々考えれば藍華ちゃんもそうか・・
でも晃さんと藍華ちゃんに言われるのってギャップが激しいのよね・・・何だか・・・。
:うふふふ
なら私はどう返事をしたら良いのだろう。
まだお得意の笑顔で、晃さんに返すしかないのかしら・・・。
晃:うふふも禁止だ!
そしてまた人差し指、今度はゴンドラを下げようかな・・?
そんな考えが浮かんでしまう。それでも、この狭い通路でゴンドラ下げると後ろの通路に迷惑だろうし・・・。
:あらあらあら・・
仕方なく会話をするしか方法がなくなるので・・・ある意味では禁止命令は迷惑だった。
それでも晃さんはまだ私に対して、禁止命令をしてくるだろうか?・・・っと私は思う・・・。
晃:どっちも禁止!たく何でアリシアと同じなんだ。
そんな感じが幼い頃から続いていて、慣れてるのに・・・
何故か、晃さんに言われるのだけは苦手でなれなかった。
姉のアリシアと同じ口調をした私がアリシアに見えてくるんだそうで・・・。
それでも良いじゃない?何て私の思考回路は回るのだけれども・・。
:いけない?
など笑顔で顔を表すのだけど・・・それでも晃さんは何処か気にくわないらしい。
そして仕方がなく、晃さんは溜め息ばかりだ・・私はどう返事をしたら良いんだろう。
晃:アリシア思い出す!たく、お前達、姉妹は似たものどうし・・・っというか・・・。
出た・・晃さんのお得意の説教・・・・。
これには毎度慣れているけれどもあきてくるのだった。そんな時・・・・。
アリシア:あらあら・・晃ちゃん・・それに・・・。
姉さんが来るのは良いけど、このきまづい中で良く声をかけてくるものだと感心してしまった。
思わず、溜め息が漏れてしまう・・・こんな関係が幼い頃から私達の間では続いていた。
それは、変わらぬ日々に・・・・。
そう最初は私も姉さんと同じアリアカンパニーに入社をしようと思った。
でも何処かで、姉さんとは違う自分を見つけたくて・・・だから私は、オレンジぷらねっとに入社した。
オレンジぷらねっとは、姫屋とはいい勝負の水先案内店で私はその中でうまく生活していた。
オレンジぷらねっとには両手袋のアリスちゃんも居るし、何よりアテナ先輩もいる。
同室の部屋は三人部屋で、それでも今の私は、一生懸命頑張っているつもりだ。
私の目標は早く片手袋を外し、手袋なしになる事が目標だった。
でも今は片手袋でも良いかな何て思い始めていた・・・。
修行をするのは辛いけど、それでも片手袋だからこその楽しさがある。
そして、今の私は、姉さんと姉さんの幼馴染の晃さんと一緒に昼食をしていた。
何処か緊張していたのも仕方がなかった・・・。
しかも・・・かなりきまづい中で・・・。うぅ〜やっぱ晃さんは苦手だ!
幼い頃からいつもそうだった。私は自然に姉さんの口調が移ってしまって・・・。
晃さんにはアリシアが二人居ると良くからかわれた。
そして、いつも同様に禁止命令・・・可笑しい反面、笑える所もある・・・。
晃:なぁ〜、アリシアの口調どうにかなんない訳・・。
私は呆然と晃さんと姉さんの会話を聞いていたにも関わらず・・・。
目線があった。そして晃さんの出した最初の言葉はそれだった・・・・。
:ほへぇ〜
行き成り口調を変えろと言われても私には無理だしなぁ〜。
そんな感じで返事をしてしまったにも関わらず、晃さんの人差し指。
晃:ほへぇ〜も禁止!
はぅ〜またか・・・ν私は晃さんに何回禁止をされれば気が済まされるのだろう。
今だにまだ目線があってる。直せって意味なんだろうか?
:えぇ〜
禁止禁止といわれても中々習慣化している以上、対、癖が出るものだった。
それでもまた人差し指・・・はぅ〜νつまりは直せと睨まれている・・これでも努力してるんだけどな・・。
晃:えぇ〜も禁止!いちいち五月蝿い!
何処か呆れ気味に、私の顔を晃さんは見つめている。
私は最後の食べ物を口にしながら、その言葉を聞いていた。
そんな晃さんと私の行動を、姉さんは優しく見つめていて・・・・。
何処か楽しそうに微笑んでいる。晃さんは何処か機嫌を損ねているにも関わらずだ。
アリシア:あらあら・・・。
既に昼食も終わって、何故か冷めた紅茶を三人で飲んでいた。
そんな時だっけか、私が水先案内人になると決めた時は・・・・・。
あの頃、姉さんと晃さんが互いに水先案内人の修行を始めた頃、私は一人だった。
家には両親しか居なくて、いつも姉さん達が側に居たから寂しいという気持ちがなかった。
でも、今は、寂しくはなくても昔は心細かった。そう本当の意味で・・・・。
そんな時だったっけ・・・私が余り外に出なくなって、それを心配して来てくれたのは・・・。
晃:たのも――――。
その懐かしい声に、私は外を見つめたっけ・・・。
其処にいたのは、晃さんで姉さんは居なくて、変わりにアテナ先輩がいたっけっか・・・。
そん時の私は何故か照れていた。だって、久々に会ったと思ったから・・・。
そして何より、初めて見たっけっか、晃さんとアテナ先輩の水先案内人の制服を・・・。
晃:アリシアが心配してたぞ・・・最近、外で遊ぶお前を見かけなくなったってな・・・。
まさか、晃さんから言われるとは思わなかった。
だって、一人は寂しいから、一人で外に出るの嫌だったから何て言えないよ。
晃:ったく・・・
そんな溜め息が晃さんから漏れたと思ったら、私の手をつかんでいた。
そのまま私は外に連れて行かれて、ゴンドラに乗せられて・・・。
私は晃さんが漕ぐゴンドラをアテナ先輩と一緒に乗っていた。
良く見たら、晃さんの手袋は片方だけになっていて・・・何だか遠くにいった存在に見えた。
晃:なぁ〜・・。寂しかったんだろ・・お前いつも一人じゃなかったからさ・・。
そんな言葉を告げられた時、知らずに涙が流れた。
そうだった。私はいつも姉さんと一緒にいて・・それでも尚、晃さんが側に居てくれた。
それが嬉しかった。なのに、今はどうだろう一人という寂しさで私は逃げていた。
ううん・・そうだと私は思った。そしてあの頃から私も同じ目標を目指していたっけっか・・。
晃:おい・・聞いてるか・・。
真剣な瞳で晃さんが私を見ている。私は何処か、思い出にした・・・。
そして、今、晃さんが何を語っていたのか覚えてなかった。
:ほぇ・・・。
やっとの言葉で出たのがこの言葉で、私は先程から禁止禁止と言われていた事を忘れていた。
そしてまた、禁止の言葉が出ると思い・・・冷や汗をかいた・・予想はバッチリで・・・。
晃:ほぇ・・禁止!
そう語ると晃さんはまた人差し指を向ける。そんな表情が可笑しかった。
そして晃さんから溜め息が漏れたと思ったら、頭の上に手を置かれた。
:・・・・え?
そして晃さんは笑っていた。何処かその笑顔が久々に見えた。
それが、嬉しかった。またこうして三人に戻れたという事が・・・・。
晃:ったく・・・私にとっても、お前は世話のやける妹だ・・・。
そう呟かれた晃さんを私は何処か意味がわからなくて・・・考え込んでしまった。
そんな私の表情を姉さんは優しく微笑んで、いつもの口調をしていた。
アリシア:あらあら・・・。
そんな行動をアリシアさんは普通だと思っていた。
それが何より私には嬉しかったし、そして何より晃さんの行動が私には一番の宝物だった。
そして・・・私達は、夕方になるまで三人は遊んだ。久々だった・・・。
ゴンドラを漕いで、水掛をして・・やっぱり私は水先案内人になって良かったと心で思った・・・。
〜 Fin 〜
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