「ライナーの馬鹿やろぉ〜」
宿屋の廊下で、唐突にその大声は私達の耳元に響き渡ってしまった。
流石にこの展開はもうなれてしまった何故なら・・・何故なら毎度の痴話喧嘩だからという事。
ミシャ:ま・・またやったわねライナー
どうでも良いけど、私達以外の他の客には絶対迷惑極まりない。
毎度の事ながら、もういい加減にして欲しいのが現実だった。
オリカ:ま・・有り得るわね・・ライナーなら・・。
私、星詠のミシャですらライナーの天性のボケにはついて行けないわ・・。
もういい加減にして欲しい程の事なのだから・・・。
ミシャ:どうでも良いけど・・その後の何とかならない?
溜め息を吐きながらも物音が聞こえる方向を見つめる。
ライナーが何知らぬ顔をしていてもの機嫌が直る訳でもなくて・・・。
オリカ:どうでも良いんですけど・・ライナーがどうにかしてくれるなら・・。
毎度の事でオリカは既に本性丸出し、この行動にどうやら不機嫌な顔をしていた。
それでもこの行動が止まるはずがなくて、仕舞いには止めに入るのも無理難題な状況だった。
ミシャ:無理ね・・詩魔法発動してるから・・・。
単純な詩魔法をは時々紡いでしまう。
そうコスモスフィアだけでもなくて、は感情から時折紡いでしまう事があるのだった。
:馬鹿ぁ〜本当に馬鹿・・・馬鹿・・馬鹿ぁ〜〜
ライナー:な・・・・ちょ・・落ち着こうな・・。
流石に冷や汗を垂らしながら、ライナーが扉から勢いよく飛び出してきた始末で・・・。
そんな行動も毎度の事であって・・・何故か私達からして見れば呆れてしまうのが現実だった。
:馬鹿ぁ〜
そう呟くとは詩魔法からか氷の刃をいっせいにライナーに投げ飛ばす結果となってしまう。
そんな行動にライナーは身動きもとれないでいた。これも毎度の事で・・・・。
そしてその数秒後、はライナーの顔を見向きもせずにその場を去っていったのだった。
その行動に私もオリカも溜め息を漏らしながらライナーに近づいたのだった。
ま、この毎度の行動はもう私達にはなれてしまっているけれども・・・。
にとっては周りはお構いなし、簡単に言えば台風の目、トラブルを起こすレーヴァテイル。
そんな話はもう私達、旅の仲間からは話題の事だった・・・。
ミシャ:ライナー・・また何やったの・・・?
この後、二人がどう仲直りするのかが時間の問題であって・・・。
よくよく考えて見ると、が一番最初にダイブし終わった後も喧嘩になったのが真実だった。
ライナーにとっては、とダイブをする事は有り得たのかも知れないのだけれども・・・。
パートナーに自分の心の世界、コスモスフィアをレーヴァテイルが見せるのには勇気がいる事なのに・・・。
にとってはライナーとダイブするのが信じられなかったらしい。
っていうより明らかにライナーの事を毛嫌いしているのが真実だから仕方がない。
最初の出会いが災厄だったからそれを話せば無理もないのかも知れないけれども・・・。
ライナー:何だ・・ミシャか・・脅かすなよ・・。
疲れ果てたライナーは私達の顔を見るなり何処か安堵をしていたのだった。
問題はの方なんだけどね・・・考えれば考える程、は素直じゃないから仕方ないのだが・・・。
オリカ:驚いたのはこっちなのですけどね・・ライナー
オリカは当然の答えを不機嫌そうにして答えている。
ライナーの周りに限っていつも賑やかになるのが当たり前なのだから仕方がない。
ライナー:な・・何か・・こっちはこっちで・・。
オリカの態度にみすみす感づいたのかライナーは顔を引きつらせている。
これもいつもの事なんだけど、オリカはその後の言葉は紡がないし・・。
ミシャ:大体、迷惑なのよ!他の客にも・・。
ライナーの言い訳はもう簡単に言えば問答無用なのが正論だった。
それでもはこんな毎度の事でも手加減をしているのは分かっているのだけれども・・・・。
オリカ:今日という今日は穏便にはすまされないわよ・・・ライナー
オリカがそう語るとどうも説得力がないのが正論なのだけれどもね。
こうしてる旅もいつまで続くのか、正直語れば私、星詠のミシャでも分からなかった。
それは当然も一緒で、彼女もいつまでもこうしていられない事を理解していた。
唐突な恋と喧嘩
ジャック:な・・・・落ち着こうな・・
俺の部屋にいきなり押し掛けてきたのはだって事も直ぐに分かった。
毎度、ライナー達と旅をしていてこの騒動に付き合ってるんだ。
なれて当然のような当然でないような行動なのは仕方なかったっが・・・。
っが、こう何度もされると疲れてくるのが正直な気持ちだと思うのだが・・・。
:だってぇ〜ライナーてば・・。
普段、何も語ってなければだって可愛いんだけどな・・・。
どうもこうライナーといる時に限って子供のような幼さが見え隠れしているように思えちまう。
クルシェ:また始まったんだね・・ライナーってどうしてこう・・・飽きもせず・・。
俺の部屋にが駆け込んで来てから、クルシェは時々此処でこうしての行動を見つめている。
逆に考えればをからかっている方が面白いという方が正論か・・・。
ジャック:にしても・・良くもまぁ〜毎度やってられるな・・。
:うっさい!
喧嘩する程に、仲が良いっていう話はこの事なんだろうなと思ってしまった。
大体、もボルドが連れ出さなければライナーと一緒にいる事なんてなかったんだろうけどな・・・。
全ての切っ掛けはミシャもも同じ天覇なんだろうけどな・・・。
お互いがお互い大切な物を奪われたんだ・・・それを探すのにも苦労したっていうのに・・・。
この行動は明らかにそんな事はお構いなしというのが正論だろう・・・。
クルシェ:の機嫌が直るまで当分寝れないね・・ジャック・・。
おぃおぃ・・・それだけは頼むから勘弁してくれ・・・こっちとら疲れてるんだから・・・。
確かに此処に男女が寝るっていうのもかなりやばいが・・・。
ライナーがを迎えに来るまでずっとこの状態になるのはいうまでもない。
ライナー・・・頼むから早く迎えに来てくれ・・・。
ミシャ:単純・・っていうよりライナーって馬鹿・・。
:前も私の時そうだったわよね・・確かクロニクルキー取り戻したとき・・。
あの時はまだ今のように大人じゃなく、小さかったけど・・・。
でもライナーが必死に私の詩を取り戻してくれた事は嬉しく思った。
だけど問題はその後、本当の自分を見せても、ライナーにとってはコスモスフィアで見てるからって・・・。
素直過ぎるというよりも、相手に対しては機嫌を損ねるような事しか話をしていないのが真実。
ライナー:・・・・なぁ〜ミシャ、何か恨みでもあるのか・・・。
の事でこれはもう完璧にライナーは疲れ果てているわね・・・。
無理もないわね・・あんなに派手な行動、しかも騒動が巻き起こったのはの部屋・・・。
ミシャ:全然・・・でもにして見れば、機嫌も悪くなるわよね・・。
いきなりインストールの話をされるのもどうかと思うけど・・。
ライナーには元々インストールの事、は拒んでいたようだし・・それでも時折はしてたけど・・。
ライナー:何が・・それに俺・・。
余り好きでもない相手にダイブだインストールだとか急激に話しをされればだって参るわよ!
そこをライナーは理解していないのか良く分からないけど・・・。
心の底じゃライナーって私やオリカと違ってに対する気持ちは違うのよね。
行動から行って真っ先に守ったりもしているし、怪我したらライナーは一番先に心配するし・・・。
はで、鈍いというより単純というよりある意味純粋・・・。
ライナーの気持ちに対して素直になれない所とかがある意味証拠なんだけどね。
オリカ:ライナー・・・今回はライナーが酷すぎだよ・・。
:確かにレーヴァテイルにとってインストールもダイブも大切な事だけど・・でも・・・。
何処か溜め息を漏らしながらオリカはライナーに話し始めた。
オリカも最初にライナーにダイブして貰った事があるのか、何処か思い出していた。
半分はオリカにとっては照れくさい思い出なのかも知れないけれども・・・。
レーヴァテイルにとっては大切な事だからある意味仕方ないのかもね。
ミシャ:私達はライナーを信じてるから良いけど・・は心の底ではライナーの事拒んでるわね・・・。
との最初の出会いも災厄に近い存在だった。確か、ほたる横町での大切にしてた物壊して・・・。
っでグラスメルクで作り直すにしてもレシピもなく、挙げ句材料もそろっていない。
そんな事が切っ掛けではライナーに付いていくとか言い出して、この有り様。
おかげで前のパートナーには愛想疲れたって話も聞いてたけど・・・。
天覇の話じゃは総統、社長にも気に入られている存在らしいけど・・・。
おまけに詩魔法も強いから・・無理もない。噂じゃ破天荒とも呼ばれていた事もあったのが事実。
ライナー:悪かったと思ってるよ・・けど・・あれは・・。
そりゃぁ〜ライナーはホルスの翼に降り立ってからは何も知らないエレミアの騎士だったからね。
仕方ないと言えば仕方ないかも知れないけど、まだグラスメルクも覚えたてだったから・・・。
それでも多少はグラスメルク使えるからって直すと易々と話をしたのがそもそもの原因だと思える。
レシピもないのに、ライナーってこれだからボケというかなんというか昔と変わらない。
ミシャ:ライナー言い訳してももう無理よ・・に早く許して貰うことね・・。
参ったな・・よりにもよってまたの大切な物をまた壊してしまった。
直すっといってもグラスメルクでそのレシピを持っている訳でもないし・・・。
大体、ってよくよく考えれば大切な物多すぎ何だよな・・・。
全く考えようによっては流石に、の物には無闇に触れられないのが正論じゃないか。
ミシャはに許して貰うことと言われたけれども、正直言ってと話すのにも・・・。
仕方がないの機嫌が直る物でも購入しておかないと拉致が空かない。
ジャック:っな!あれ持ってきたのかあれ・・。
勘弁してくれよ・・あの品はテル族しか作れないんだぞ・・・。
俺もテル族だが、オババ様の用にはうまく作れる訳もないし・・・。
よりにもよってライナー、お前が壊したのはがシルヴァーホルンの姫の間に入る前にくれた品だぞ・・・。
しかもオババ様がくれた奴・・・元々、は俺に懐いていたし・・・。
ミシャよりかはの方が妹のように可愛がってたんだが・・・。
けど、もレーヴァテイル、時期に自分も塔の中でその役割を果たすのが正論。
あのブレスレットはが寂しくないようにといってくれた品だしな・・・。
:だぁ〜ってぇ〜せっかくタスティエーラが私にくれたんだよ!なのにぃ〜
それをいつも身につけていたのは分かっていたが、何でライナーが壊すかな・・・。
しかも、は数秒部屋から離れた時に、溜め息が漏れる。
ジャック:はあ・・今度は俺がオババ様からレシピ貰って・・。
その言葉を聞いたのか聞かなかったのか、は俺に枕を勢いよく投げつけて来て・・・。
泣き顔が晴れないうちに俺に睨み付けて、は俺に反発した。
:嫌だ・・ライナーに作って貰う・・・。
こういう所が素直っというか、らしいっというか・・・。
全く、頼むからライナー早く来てくれ・・・。
ライナー:なぁ〜ジャック、来てないっか・・・・・・・・ってどうした・・・。
ライナー来るのが遅すぎだぜ・・全く、俺まで被害者じゃねぇ〜か。
クルシェは面白いものがみれたような顔をしているし・・・。
クルシェ:早くを何とかしなよ・・僕はもう戻るから・・・。
クルシェが言った意味が分からず、俺はジャックの室内を見つめた。
そんな時、が勢いよく枕を俺に投げてきて、勢いよく俺はよけた。
:馬鹿ぁ〜遅い!
危なかったっというより、は先程より落ち着きを取り戻しているらしい。
なんというか、その立ち直りが早いっというか・・・。
ライナー:・・そのさっきはごめん・・・。
珍しく素直に謝る事が出来たのはいうまでもなかった。
は何処か瞬きをしながら、頬を赤く染めて枕を抱きしめていた。
正直、俺からしてみたらその行動は明らかに誘っている・・。
っというより可愛い。ジャックには勿体なくて見せる気にもならない。
ジャック:ば・・馬鹿・・ライナー早く連れてけ//////
そんな行動をされたら誰だって理性が効かない・・・。
ましてや男なら当然のこと。此処にクルシェがいるとしたら別だがな・・・。
ライナー:そのさっきはごめん・・変わりって訳でもないが・・その・・・受け取ってくれるか?
:あ・・・壊した物は必ず作り直して返すから・・・。
そういうなり、は俺から指輪を拝借するなり見つめていた。
こういう所がミシャとオリカと比べて可愛いというか何というか・・・。
正直、ほっとけないという気持ちがあるのが正論だった。
どうせ何処かでミシャ達も見ているのだろうけれども・・・。
:オババ様からレシピ貰ってよね・・いぃ〜だ・・・。
言葉を出さなきゃ可愛いんだけれどもな・・・全く、の前のパートナーって誰なんだ。
っというよりも、これでに弁償しなきゃならなくなった品が増えてしまった。
もう勘弁してくれっという気持ちでいっぱいだった。
その後は何一つ変わらず、結局、ミュールを止める為にまた旅が続いたのだった。
〜 Fin 〜
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Music Box/VAGRANCY 志方あきこ by:ナゾ? |