自宅に帰り、私はいつものようにポストの中を確認する・・・。
思っていた通り、そこには白い封筒と共に黒き羽が一枚添えられていた。
ご丁寧にそこには私宛の丁寧な文字がある・・・。
は不器用なのか、それとも心配してのことであるのか?
その手紙には毎度、自身の名が刻まれていない。
変わりに、黒い羽かもしくは白い羽を私に添えて送ってくるのだ。
それがだと思ったのは、最初にが私の前でこれを渡した時だった。
その意味を私は知らない。ただこの黒い羽と白い羽の意味は分かる。
そう日時を示しているのだ、午前中ならば黒い羽、午後ならば白い羽と・・・。
そしてその中身には白紙の時もあれば文字が書かれている時もある。
私は封筒の中身を空けた・・考えていた通り、文は書かれていなかった。
の考えを私はあまり否定する方ではない。
けれども時折送られてくるこの手紙には、やはり寂しいという感情が私の中にある。
それでも、は私の気持ちには気づいていないだろう。
君がいなくなってから、私の心に穴が開いてしまったことに・・・・。
ネイがどう思うとも私は必ず、を取り戻す・・・彼女ともう一度、やり直す為に・・・。
第三章 祖は宿命を持つもの
何度ロイがそう思っても、私は彼方の傍には帰れない。
そう、それが本当の真実なのだから・・・私がそれを認めているから・・・。
:もう此処に来るのはかなりやばいわね・・・。
そう呟いてもロイが私を見つければ、私はその返事を返すだけ・・・。
それが毎度のように続いていた仕事・・そうロイの為だけに・・・。
ヒューズ:よぉ!やっぱ来てたか・・。
マースは、何を知っても何もロイには語らない。
そうだって、私が黙らせてしまったから・・・あの時のマースの顔を忘れはしない。
私を見つめて帯びえている顔を・・本当はそんな顔して貰いたくなかった。
けれども、本当は私が真実を言えば、やってしまった。
それが本当の真実・・・けれども、マースは私を避けようとしない。
どうしてと一度問いただした事があったっけ・・・その時の答えは私にはあっけなかった。
「お前が・・が・・両親を殺したものに使えるように・・彼奴は・・・ロイは、お前を求めてるんだ・・。」
その時は、確か私は一人殺めた後・・マースは平気でそう語った・・・。
でもね・・その裏には真実があるの・・私が、どうして彼方達の前から姿をけしたのか・・・。
それは彼方達に関わって欲しくなかったから・・・。
だから私から姿をけしたのに・・彼方達は私を探しだした・・それが真実・・・。
マースが去ってから、雨が降り出して・・私は一滴の涙を流した・・・。
だって私は殺すこと以外、本当に両親から何も教わってないから・・・。
そう守るためには必要な手段だと・・そう思われていたから・・・。
だけど、本当に私は・・・これで良かったのだろうかと後悔している。
だって、あの時の幼い頃の私はそんな顔をしないと思ったから・・・。
でも今の私は・・・。
:馬鹿・・何でまた来たのよ・・・。
そう呟いた私にマースは何も言わなかった・・・。
それでも私には、マースが何を思っているのか知っているから・・・。
:無理よ・・今更・・・今更昔には戻れない・・・。
馬鹿だ・・私、他人にばかり八つ当たりしている・・・。
でも本当はそんなことしたくないのに・・狙われているのは私・・・そして・・殺めるのも私・・・。
マース:何でだろうな・・お前にはもう関わらない・・そう決めたのにな・・。
次第に雨は降り始めてきて、私たちは静寂と沈黙の中にいた。
そして、時が過ぎる中で、マースは去っていた・・・・・。
ロイ:・・・?
窓に顔を出してみれば、其処には見慣れた人物がいた。
私の視線を感じたのか、その場から立ち去っていった。
ロイ:まだ私には止められないのだね・・君を・・・・。
どうして、私はまた逃げてしまったのだろう・・。
息を切らしながら私はこの場に座り込む・・。
:主よ私は人を殺めました・・。
:私はこの手で大切な人を殺めました・・そしてまた・・。
何度、ロイの近くの教会で私はこの祈りを捧げたのだろう。
そんなことをしても無駄なのに・・そしてまた・・私の対は楽しそうに笑う・・・。
エロス:何度祈りを捧げても・・貴女は死の女神・・何度祈り何度思おうが・・貴女は私の者・・。
そう何度語られても、何度も理解している・・。
私は貴女の人形であることも・・ロイと共に自由になれないことも・・。
:来ていたの・・エロス・・。
そうその名が物語っているから・死の女神が・・・。
でも正直、語れば・・・自由が欲しい・・それが真実なのに・・・。
エロス:そうね・・貴女は自らの兄を・・・
そう呟いた貴女は私を楽しんでいる・・。
だって、私はその言葉を聴くたびに自分が咎人だと分かるから・・・。
:やめ・・
そして、簡単に言える言葉は紡げないでいるのだから・・・。
それが、本当の真実・・拭えぬ過去・・・。
エロス:そんな瞳をも見せてくれるのね・・貴女はこの私に・・・。
貴女は私を見つめ微かに笑っている・・・。
そう誰か此方に近づいているにも限らずに・・・。
:・・・・・・・。
そう今は真実だから何も言えない・・・。
正直に伝えるから・・私は貴女のその瞳が怖いの・・・だから・・・。
エロス:好いわ・・同じ対ですもの・・見逃して上げる・・・。
:貴女の両親が我らを裏切り自由になり・・そしてまた・・同じですもの・・貴女は先代と・・・
どの道同じ、NOIRの名を告げるのは闇と光にて愛を囁かれた者だけが受け継ぐ名・・。
それだけが、真実なのだから・・そうそれだけが・・・・。
エロス:では貴女は誰を選ぶかしら・・彼を選ぶ・・それとも・・・私か・・。
何を伝えたいの貴女は、私に何を・・殺めさせたいと・・・。
もう誰も、私の関わりを持たせたくないのに・・・。
エロス:・・期限をあげる・・そう貴女が殺める選択の時期を・・・私が現れた時それが答え・・。
:そうその前に殺めても構わないは・・私か・・焔の錬金術師・・どちらかを・・ね。
もう後戻りは出来ない・・私の選択の答えはもう決まってるのに・・。
その答えをエロスには継げられずにいる・・貴女を殺めると・・。
でもその答えを・・そう私の宿命はもう始まりを告げているのだ・・・・。
私自身の答えを否定するようにエロスは教会内で継げる。
私はもう後戻り出来ない・・ここで誓うことをしてしまえば・・もう・・・。
私はその選択で良いのか分からなかった・・。
私の目の前の選択は二つ・・逃亡または暗殺・・・・。
もういや・・私は大切な人を殺めたくないのに・・・・。
平穏な期限はその答えを考える時期・・・。
前に彼がこ言ってた・・「後悔するなと誓えるか・・・。」その言葉を聴いたときから・・。
:シュウ・・私は後悔してるよ・・彼方を殺め・・兄を殺め・・私は・・・
その言葉はエロスの耳には聞こえなかった・・いや、既にエロスは私の前にはいなかった。
目の前にいたのは・・長身の男の影・・その顔は私の見覚えある人物だった・・・。
いつから居たのか・・ロイの顔を見たとき、彼は真剣な眼差しをしていた・・。
私はロイの手を受け取ることが出来ないのが真実だった・・・。
そして、私の本当の物語が今、始まりの鐘を鳴らす・・・・・。
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Music Box/G2-MIDI 三崎 新 by:遥かな空への鎮魂歌 |