遊戯王デュエルモンスターズ --光の中へ完結する物語--




名残惜しい仲間との別れ、ただそんな別れなど来なければいいと思ってた。
だけど、アテムとの別れはどれだけ望みたくない願いか、今となっては後悔する。

ただ何も変わらない高校生活、それでも仲間が欠けたことで何かが変わった。
ただ空席になりつつある、仲間達の心の欠片・・・。

だけど、エジプトの地を訪れて、アテムと別れて数ヶ月・・・。
あれから城之内の姿を学校で見かけることなどなかった。

それがどんなに想いを寄せても気付かずに、空席は広まるばかりであった。
ただその生活に、全てが終幕へと向かっているように・・・。


ただ俺は、学校へは行きたかった。
だが、俺自身、彼奴らと付き合うか迷った・・・。

彼奴らは俺の友達にまで危害を加えることしかない連中・・・。
そんな連中に遊戯達を巻き添えにするわけにもいかねぇ〜んだ・・・。

だが、俺はどうして喧嘩ばかりする連中と連んでるんだ。
アテムがいなくなってから、俺は昔の俺にもどっち待った気分だ・・・。

それでも遊戯達が無事でいるならそれでいい・・・。
俺は所詮こんな生き方しかできない。彼奴、と比べれば・・・。

ただこんなにもすれ違ってしまった心が本当にあるのだろうか?
もう忘れかけている、本当の物語の終幕を・・・。



光の中へ完結する物語 〜 城之内 克也 〜



あれから城之内の姿を私達は見ていない。
仲の良い本田ですら、城之内の最近の様子を知らないのだ・・・。

アテムが消えて、城之内は学校へ訪れる回数が減ってしまった。
だけど訪れる回数より欠席の回数が多くなって、結局、この結果の有様だった。

何故か誰も咎めずにいて、誰も問いただす事ことなどできずにいて・・・。
それでも友達だから心配するのは、当然なんだろうと思う。

だけど、私の心は不安で過ぎっていて、いつも鞄の中身は余計な物が入っている。
城之内が居なくなってから不安は大きくなる一歩だった。

遊戯:今日も、城之内君来ないつもりかな?

遊戯の何気ない心配な言葉がいつも皆を不安にさせる。
それでも仲間を信じたいという心はある。

確かにあの時以来、瀬人も偶に学校に訪れる時がある。
そして何より、いつも騒がしい教室が静まりかえっている。

それがよりいっそう不安にさせて・・・。
何故かいつもと違う感覚に襲われて、こんな気持ちは初めてだった。

またいつものように学校が流れ始めていく・・・。

遊戯達は学校に行っているのに、俺は何をしているんだろうか・・・。
また彼奴らと喧嘩しまくって、金奪い取って、俺自身本当にこんなんで良いんだろうか?

良くないのは分かってる、だが彼奴らの卑劣な手は俺の友達をも容赦ない。
だから学校へ行く度に不安になるしか、だが・・気持ちが押さえ切れない・・・。

いつもの用に時間が刻々と過ぎていく・・・。
ふざけてる場合でもないのによ、俺はこの場から逃げられねぇ〜悔しいが・・・。

そんな俺を見かけたのは遊戯じゃなかった・・・。
学校帰り、彼奴はよくネットカフェで一息入れると聞いていた。

たまたま立ち寄った時ににあった。
今日も居るんじゃないだろうか、こんな俺でも少しは支えになっていた。

俺は、に惚れて居るんだろうか・・・。

あの時、記憶戦争でアテムの名を探すのにどれ程の苦労を虐げられてきたのだろうか?
数々の支えが仲間の中であった。何より、友達の為に全てを犠牲にするような・・・。

ただあの時、城之内は明るくて、遊戯や杏子達を楽しませて、そんな貴方に惹かれていた。
ただ幾度となく、城之内に支えられて、守られてばかりでそんな私が今も存在している。

だけど、何故か城之内が居なくなると、全てが変わったようになる・・・。
私は、ネットカフェで良く一息入れていた。休息をとるのも悪くないと考えている。

けれど、ここ数日、学校での城之内の存在がいなくなった事で休息などできずにいる。
だから城之内の存在が強くて、私はその存在を探し求めている。

ただ、学校に城之内が来なくなってから数日間・・・。
私がネットカフェに訪れて、幾日かたった日、城之内は訪れた。

ただ顔には傷があった。喧嘩でもしてきたように・・・。
私は、城之内の存在に目を見入る。

:城之内君・・・

ただ、その言葉に城之内も反応をしてくれた。
私にとっては嬉しいことなのに、嬉しくはない。その表情から不安がある。

城之内はただ、そっと私の側まで訪れてくれた。
そして優しく微笑み、いつもの様な口調で話しかけてくれる。

城之内:、お前こんな所来るのか?

:偶にだけどね?ねぇ〜最近学校来ないのどうして?

私の質問は、純粋だった。
だけれども、城之内の顔は暗くなる。

ただ何も語らずに、私の顔を見る。
一瞬の出来事、ただそこで真剣な表情へと変わった城之内。

けれども、直ぐにいつもの表情に戻ってしまった。

城之内:わりぃ〜また学校行けねぇ〜んだ。親父のやろうがまた借金抱え込んじゃってさ・・・。

その言葉が本当だと、その時の私は思ってしまった。
けれど、城之内は背後にいる存在を気にしているのか?直ぐに別れてしまった。

ただ、その日以来、毎日の用にネットカフェに訪れるようになっていた。
けれども訪れるたびに、危険を感じていた。

何故かは直ぐに理解出来た。
ただ暴力を振るう切れた奴らに私は目を付けられていた。

学校内でも不安で、帰りはいつも杏子と遊戯達と帰るようにしていた。
幾日か続いたある日・・・ただ待ちわびていた城之内が学校へ来たのだった。

遊戯:城之内君・・・心配したんだから・・・。

遊戯の表情にも安心した。
ただ、私がネットカフェにいたときと同じ理由だった。

本当にそうなのだろうか?そんな気持ちで溢れた。
そして城之内が私に眼を向けた時には、真剣な表情だった。

城之内:、悪い!屋上来てくれ・・・1人でな・・・

城之内が私に頼みことなど分からなかった。
ただ、私は素直に訪れるしかなかった。

ただ屋上には私と城之内だけ・・・。
相変わらず、顔や手には傷だらけ・・・いつも何を行っているのだろう?

そんな疑問が私の心の中に続く・・・。
ただ城之内の顔は、いまだに真剣だった。

城之内:、お前、最近怪しい奴らを見てないか?

:へ?どうしてそれ知ってるの?

何故、それを城之内は知っているのだろうか?最近学校へもネットカフェにも来ていないというのに・・・。
城之内はため息を付くなり話し始めた。

城之内:俺が、1人の連中に喧嘩売った事が原因なんだ・・・。
   :暴力を全てとしている彼奴らは俺に、忠告を出してきた・・・だが無視できなかった。
   :お前が、彼奴らのボスに気に入られる何て考えもしなかった。

城之内は笑った。ただ自分を馬鹿にしているように・・・。
其処には、涙が流れ続けている・・・。

城之内:彼奴らに俺は従った。だが、はいまだに狙われている・・・。
   :だから頼む、決着が着くまで遊戯達と共に行動してくれ・・・。

:そんなの・・。

私はただ、城之内の近くにいた。
ただ、怒りに狂いながらも、両手で城之内の頬を何度もたたく・・・。

:アテムといた頃の貴方は何処へいったの?
   :今の貴方は私が知っている貴方じゃない!今の貴方は逃げてるだけじゃない!

顔からは、涙が零れ落ちる。
ただ屋上に、城之内と私、たったの2人だけ・・・。

耐えられなくなってしまって、ただ私は屋上から離れた。
教室へ向かう階段先で、ずっと泣き続けていた。

ただ城之内を好きだったこと、愛してしまったこと。
今頃になって気がついたことだった・・・。

屋上で1人孤独にいる城之内。
ただにたたかれた頬が痛む・・・。

城之内:馬鹿だな俺・・・一番大切な奴を傷つけちまった。

ただ、次の授業は城之内はさぼった。
私は何故、あの時怒りがあらわになったのか分からない。

ただ確かなことは城之内を好きということ・・・。
何事もなく、授業は終わり、放課後が訪れてしまった。

城之内は授業への参加はなく、ただ杏子達も私と城之内の関係に何かあったことに感づいていた。
けれども、何も話す気持ちになれなくて・・・。

放課後、ただ杏子達が去ってからも途方に暮れていた。
何より、城之内があの一件から教室には戻ってこないことにあった。

城之内:なんだ・・・まだいたのか?

そんな声が私の背後から聞こえてくる。
ただ、その顔は嬉しそうで、何より私が待ち望んでいた。

:城之内?どうして・・・

城之内:さっきはすまなかった。俺どうしても・・・お前を守りたくて・・・。

放課後の時間が流れていく・・・。
ただその言葉が嬉しくてたまらなかった。

城之内:、俺・・・お前が好きだ・・・。

やっと素直になれた気がする。
だから私は、逃げないと誓った。この愛おしい人の為なら・・・。

:私も・・・。

城之内:俺、屋上の件から決着を付けにいったんだ・・・。
   :本田には気付かれたけどな・・・。

城之内の頬の傷が、いまだに真新しい・・・。
ただ私は、保健室から消毒液や包帯を借りて城之内の怪我を治していた。

:もう無理しないでね・・・。また前に戻らないで・・・。

城之内:あぁ〜すまねぇ〜彼奴らのようなやつと付き合うのは最後にするぜ・・・絶対・・・。

ただ、刻一刻と夕方になりつつある。何よりも、今の時間が大切に思えてきた。
怪我の治療を終えた城之内の顔は、いつもより新鮮で・・・。何より、今が嬉しい時だった。

私は、ただ体制が崩された。何より、何が起きたか理解できずに・・・。
城之内に私は抱きしめられている・・・。

城之内:、本当は・・・

:え・・・

ただ涙が自然に流れていた。そんな気持ちを城之内がしていたなど理解できずに・・・。
自分を馬鹿だ馬鹿だと追い込み続けて、それでも城之内が心配で自分のことなど考えたことはなかった。

城之内:どっか行くか?もう学校終わったし・・・。

城之内の何気ない言葉が、私を勇気付けていることさえも気がつかないなんて・・・。
本当に何も知らないにも程が有りすぎると・・・実感してしまった。

:そう・・・そうだね・・・。

城之内:お前が良く行ってるネットカフェにしようぜ・・・休みたいしな・・・。

ただ誰もいない廊下を歩いている。何より、気持ちが伝わるのは長くて、気持ちが伝わったら短かった。
長いようで短い、今の城之内と私は何より幸せだった。

あの言葉は最初で最後の貴方への気持ちではなくなった。
あの言葉は私と城之内の希望となった言葉・・・。

「本当は、お前を失うのが怖かった・・・だから守りたいと思った・・・。」

アテムが導いてくれた仲間の物語・・・。
遊戯達がそれぞれの道を歩んだように・・・今、私と城之内は二人で歩みだしたのだから・・・。


Music Box/遠来未来-Enrai_Mirai- 逆凪 諒様 by:背中合わせの僕ら
設定上は、アニメ編のラストをご使用。
まぁ?原作版をご使用したも同然なんですけどね?

おわったぁ〜あぁ〜これ書くの長かったぁ〜。(正直、設定内容が難しかったのが図星なんです。^^;)
どぉ〜しても、城之内のDream小説を作りたいという欲望で・・・。

何とか完成したから、良いんですけどね・・・
何だか、本当に待ち続けてる感じですか?むしろ・・・

むしろ・・・町での出会いが切っ掛けに真実が証されてるようなぁ〜
アテムはアテムでほんの一部だけですね(ごめんなさい・・・)^^;

どうしてもこんな設定浮かんでしまう思考回路・・・。
いいのかねぇ〜こんな感覚な小説で・・・ま!書いてて面白かったのでよしとするか・・・

もう一度お楽しみして下さる事も有り難いです。本当に・・・

七瀬 ネイ