遊戯王デュエルモンスターズ --鏡の中の迷宮--




非科学的、日常ではあり得ない事が俺の中で起こり始めたのはつい最近だ・・。
馬鹿らしい、そんな物直ぐにでも俺の中で消し去ってやる・・。
だが、それは夢のように俺からは逃れられない。囚われているとでもいうのか?この俺が・・。

彼奴・・ただ彼奴の真似だけを、する事しか出来ない存在。
海馬瀬人・・その過去も現代も何もない・・。その幕開けはただあの夢から始まった。

今の俺が何を求めていようが関係ない・・。俺は俺の未来を貫くだけだ・・。



鏡の中の迷宮



夢、ただ過去夢も予知夢も見せる宇宙のような夢幻の世界・・。
誰にでも、夢は付きまとい、それはただ現実の存在であるような感覚を見せる。

ただ俺は、何もその時は現実にはならないという確信だけはいつでもあった。
それでも俺は今のこの現状を何者にも囚われず取り入れていた・・。

鏡の中の俺の姿・・。ただ俺と同じ真似だけをする俺・・。
だがそんな俺を見られたのは、あの夢を見る前だった。

3000年前、ただ闇の大蛇神を滅ぼす為だけに、王と共に戦った夢・・。
王、アテム、ただ、何も俺は非科学的だった。

オカルト的な存在など俺自身必要のないもの・・。
夢は夢であり、消して真実ではないという確信が俺の中にはあった。

だが・・。


彼奴、ただ神官であった私よりも、変わらぬ姿・・。
私と何一つ守るべき者など変わらないというのにもだ・・。

私がいつも彼、瀬人を見ているのは次元を越えた鏡の中・・。
それでも今の私を見られる事には嬉しいものも感じられる・・。

ただいつも同じ瀬人の真似をし、鏡の中でしか動けぬ存在・・。
瀬人は、私には築くはずなどない・・。

同じ力、白き龍を持つ瀬人・・。
キサラが宿した精霊・・その力は今も現代の私の支えであろう・・。

そして瀬人は、長い事待ち続ける私の存在に築く・・。


鏡に映る俺の姿はまるで別人のように感じられる・・。
俺と同じ服装をこなし、俺と同じ動作を疑問なく抱いている・・。

それはいつもと同じ、だが今日だけは何故か・・。

瀬人:お前は本当の俺なのだろうか・・

何を思ったのかは、私には分からぬ事・・。
だが、瀬人が私に築くはずがないだろうといつかは感じていた・・。


鏡の中の俺が不意に行動が違うように感じた。
俺の表情ではなく、まるで別人のような表情へとなっていた。

顔は俺と同じにも関わらず・・。

セト:俺はお前・・セトだ・・。

私はただ、言葉を交わす、何時かは交わるであろう会話・・。
3000年の時を越え、魔力を使いながらも王との交差する場所を望んだ私。

瀬人は私の生まれ変わり・・。そんな自覚が持てるのは私だけ・・。
瀬人は、私でも瀬人は瀬人・・私は私・・。

鏡との境界線・・。


何故、鏡から言葉がまじわされたのだろう・・。
非科学的な事などありえん・・。それでもその動作を俺自身はこの眼で見ている・・。

瀬人:貴様は貴様だろう・・?

セト:だとしたら・・

鏡の中の俺は、俺を見つめている・・。まるで遠くを見つめているようだ。
夢と良い、この現状といい、俺自身はまるで幻を見ているようだ・・。

面白いような幻影・・。


私からして見れば、瀬人の存在が如何に必要なのかが分かる・・。
今この手で瀬人に触れてみたいという感覚がある・・。

だが、過去の私と未来の瀬人・・。
それはどんな事でも変わりはないのだろう・・。

瀬人:鏡っか・・貴様は鏡の中しかいないのか・・。

セト:だったら鏡の中にでも来るか?

それは私が瀬人への誘い・・。
触れてみたい感情・・。ただ過去の私になど必要のない事・・。


俺は、今現実に鏡の中のセトと話している・・。鏡など、自分自身を移す物体・・。
鏡に触れても銀のように輝く中にいるセトになど触れる事など出来はしない。

私は瀬人に自らの手でつかみとろうとする・・。
瀬人に触れられた手はどれ程、生きているという感触を味わえただろうか・・。

俺自身、その手を拒んだりはしなかった。
俺もそれを望んでいたからなのか・・馬鹿らしい・・。

非科学的な事をこの俺自身が望んでいるとはな・・。


その感触は、ただ瀬人とセトの互いの存在をしる切っ掛けとなったのだろう・・。
そして何よりも・・互いを見つめ合っている・・。

ただ鏡は時空を越える存在・・。その感覚は夢の中・・。

そして夢は現実となり、ただ瀬人とセトはその存在を自覚している・・。
顔の頬に触れるお互いの手・・。

ただ現代と過去・・。瀬人とセトの魂はその存在を必要としているのだから・・。

初、海馬瀬人×神官セト
本来、カップリング小説も書くの初めてです・・。

頭の中で妄想していたのが鏡のイメージなんです・・。
もう1人の存在を自覚したい・・そんな感じの鏡のイメージ・・

何か、ほぼイメージ崩れたような感覚ですね・・。
はは・・まぁ・・書いてる内に面白かったのでよしとしますか・・

By:七瀬 ネイ