何故、貴方はまた求めるものがあるのだろう・・・。
どうして貴方は諦めないのだろう・・・。その揺るぎない決意は何処からでるのだろう。
記憶をなくしても、貴方は・・貴方なのね。
ずっと、兄を捜し求める。その先に何があろうと貴方は迷わずに前へ進む・・・。
さて、本当の四年間の記憶を知っている私は何を求めるのだろう。
また貴方にあの言葉を聞かせて欲しいからなのかな・・・それとも、別の何かの答えなのかな・・。
このリゼンブールから物語りは始まる。そう貴方にとって本当の物語が・・・。
そしてエドワードは何を思うのかしら、弟を救って・・・。
中央の地下で、貴方は生身の肉体として発見された。
その時、私は貴方にこう告げたよね・・「お帰りなさい・・」っと・・・。
それでも貴方は私の顔が分からなかった。少し心が痛かったけど、それとは反面嬉しさもあった。
だがら私はあの時、貴方にそっと手を差し伸べた、数秒という時間が貴方には戸惑った気持ち。
貴方を受け入れる事で、私の全てが変わるのならそれでも良いと思った。
だから、全ての気持ちを私に告げて・・・貴方には私しかいないから・・・。
旅路の果てに・・ 〜Alpohonse Elric〜
何もない草原・・一カ所だけ、貴方達が覚悟を決めた場所があるのよ・・・此処には・・・。
それは、貴方にまた決意を宿すかも知れない。たった一筋の希望を・・・例え、私の覚悟があっても・・・。
中央の駅、今はもう私の知っている人達はそれぞれの道を歩んでいる。
当然、それは立派な足を持ったロゼも、軍内部の人々も・・あの時の私はただ賢者の石を探すだけで必死だった。
今は分かる・・あの頃に支えられた人達の感情を・・・そして今も支えられている。
中央の駅、汽車の座席にはずっと窓を見つめているアルフォンスがいる。私はただ同じ光景を見るしかなかった。
今、私達は故郷に帰ろうとしている。きっとそれが、エドワードの臨みだったから・・・。
私は、エドワードの意志を恐らく、何処かで継いでいたのかも知れない。そうかも知れないから・・・。
:・・・・・・大佐・・。
私は、汽車の窓を開けた。アルフォンスはその行動に戸惑っている。
でも私は一目で分かった。あの時の戦いで彼は右目を失ったから・・・そうその眼帯の証は何よりの証拠。
ロイ:行ってしまうのだね・・また・・。
その言葉が少し寂しげに見えたのは、私だけ・・でも貴方も覚悟を決めたのだから・・。
前に進め・・立って歩け・・・その感情だけが、私を活かしてくれる存在だから・・・言葉を継げたのはエドワードだけど・・・。
:貴方の今の表情好きよ・・覚悟を捨てきった瞳、そして何より感情が表に出てるから・・・。
私は、失った彼の右目の眼帯に少しだけ触れる。
まるで痛々しいものを触れるように、そっと優しく・・彼の顔は少しだけ微笑んでいた。
ロイ:君にそう言われるとは思わなかったよ・・・黒翼の・・。
:そして、彼が弟の・・・。
貴方は、私の手をそっと胸もとに寄せた。
何処か貴方の感情が優しかった。これから私がなそうとしている事を知っているから・・・だから・・・。
:アルよ・・アルフォンス・・私が好きだった・・でも今はその記憶がない。
あの時の告白の言葉が思い出された・・・第五研究所で、私は貴方の気持ちを分からずにいた。
でもその後で、分かった事。でもその記憶がないのが、少しだけ寂しくて・・・。
ロイ:君には悲しすぎるのではないか・・・。
今度は貴方が私の瞳に触れた・・・。私の右目は見えないのに、あの時禁忌を犯したから・・・。
その迷いと同じなのだろうと貴方も分かっていた。でも私はエドワードが残した者だけは失いたくなかった。
例え、エドワードが生きていても・・・その意志を継ぐのは私なのだから・・・。
そしてそれは、当然のようにアルフォンスにもある訳で・・・。
:その先に未来があるなら、諦めない。私も覚悟を決めているから・・。
私は何処か気持ちが晴れていた。だから正直に貴方に告げられた。
今の私には、支えてくれた人たちだけの暖かさで十分だという事を・・・。
ロイ:っふ・・また会おう・・今度は一人の男として・・・。
何時もは敬礼をする貴方、でも今の貴方は私に握手を求めるのね。
互いにそれぞれを歩む道があるからと・・・。そんな行動を私はアルフォンスの前で見せている。
:まだ諦めてなかったんですね・・でも私は彼の者ですよ・・・。
そして私も素直に貴方に握手をする。それが、今のロイの求めている言葉。
私は諦めない。どんな事をしてもアルフォンスと共に行くから・・・。
リザ:大佐・・。
ロイ:中尉・・っふ、・・さらばだ・・。
汽車の汽笛の音がなって、汽車は発進した。
ホークアイ中尉が素直に手を振る。そしてロイも、手を振っていた。
その光景を見つめた私は、貴方に素直にこう告げた。「さようなら・・・」っと・・・。
私は暫く呆然としていた。そして沈黙の後、窓をしめた。もう迷う事のないように・・・。
アルフォンス:ねぇ〜・・今の人達、にとっては・・。
:ん?大切な人・・貴方とエド・・そして私を支えてくれた大切な人・・。
:でもね・・今の私には貴方だけで十分なのよ・・アル・・。
そう本当に大切なのは、彼アルフォンスだけ・・もうエドワードのようにはさせたくない。
中央を離れる時、私はある決意をした。アルフォンスが再び旅を、そう兄を捜し求めるなら・・。
私もその旅の後を追う・・それが私にとっての一番の目標・・そして臨み・・。
だから私は、鎧であった頃の貴方が決意をしたように、再びその場所を訪れる事で目的になると思うから・・・。
私は其処を、その場所を貴方と共に訪れます。例え記憶がなくても、貴方は私だけが知っているアルフォンスなのだから・・。
汽車の音が終わり、其処には懐かしの故郷の風景が表に現れる。その場には既にウィンリーもロゼもいる。
そして時間は流れていった。アルフォンスは再びまた、錬金術を本を読み出して・・・。
そして私は気が付けば、貴方達の母親トリシャの墓の側を時々は見つめていた。
あの時、エルリック兄弟が何を決意したのか、そして今は灰となったその場を見つめる。
其処には、エルリック兄弟の家があった。今はもう廃墟になった場所に・・。
:アル・・。
その場所を訪れるのを拒んでいた貴方があの場所を訪れる・・・。
そっか決意をしたのか・・それは師匠のおかげだったのかも知れない。
その日の夜に、アルフォンスは何かを決したのか、イズミに話した。
そして、私はその場をそっと優しく見つめている。アルフォンスが決めたのなら、それが良い方法だから・・。
:アルが決めたならそれでも良いよ・・私はアルと同じ道を歩むだけだから・・。
アル:え・・、どういうこと・・・。
私は何も言わないで彼に頬にキスをした。アルフォンスは照れていたけれども、私は今できる事はそれだけ・・・。
少しずつ、貴方が記憶を辿れば良いのよ・・兄エドワードと共に旅をした場所を・・・。
私はそれにほんの少しだけ助力をするだけ、だからこのリゼンブールが始まりの場所。
恐らく、門の向こう側でもエドワードは同じ決意を胸に旅立ったのだと思うだろう。
何故なら、兄弟の絆は離れられない・・けして・・・。
だから私達は迷うことなく、旅を続ける。何時かまた互いに同じ場所、同じ気持ちになれるように・・・。
〜 Fin 〜
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Music Box/FINAL STAGE By:かの街の見る夢 |