黒鷹:主は、今でも求めているのだね…。人が人を殺めたりしない世界を…。
その言葉は、彼、黒鷹が主と呼ぶ者との会話。そうそれは主が創造を齎した世界への破棄。
主の考えは主により作られし鳥には絶対的な存在だった。楔の鳥はけして主には逆らえない…何一つ。
白梟:あれからまた、雪に満たされました…。主は何時お帰りになられるのでしょう…。
その世界の秩序は全て主によって作られていた。それが全て…。
いまだ帰らぬ主を、鳥達は待ち続けていた。そう世界を守る役目と共に…。
研究者:お前はまた…あれを求めているのか…。
主の導く世界など、鳥である私は…主に作られた鳥である私には関係なかった。
私が求めているのは主の導く世界ではない。私、が求めているのは、あの世界にいる一羽の鳥、黒鷹だけ…。
それでも、私は主には逆らえない。そうそれは、私が主によって蘇生されし鳥だから…。
主の導く世界の為だけに作られた鳥だから…。それ以外には何も意味を持たないから…。
:主よ…私に、何を言いたいのですか?
何時も主はそうだ。私を見る主の瞳は、あの頃から変わらない…。
そう黒鷹を見つめる時の主よりも、優しい眼差しであって、何処か寂しげの瞳。
そんな主を私は何時も見つめ続けている…。
泣いているのは主の心だから、そんな主を何時も見つめている…。
研究者:あれは既に我が元を離れし鳥だ…。楔の鳥が何を想う…。
:そなたの片翼は既に存在しようぞ…。ならば何故求めるあの失敗作の世界を…。
それは、私が主を想っても一番に想ってるのはあの人だから…。
雪月花
そうあの時の終わりを告げる雪が全ての始まり…。
私、と黒鷹は主によって最も初期に作られた鳥。何より世界の楔の意味も何もを知っていた鳥。
何時もと変わらない。そして何より新たな一羽が加わった。いまだに心を持たぬ白の鳥が…。
それは、新たな世界の楔となる鳥、白梟。それが全ての始まりで私には残酷な始まりだった。
黒鷹:相変わらず君は真面目だね…銀の鳥は…。
まだあの世界の秩序が成り立っていなかった時、そう玄冬と花白が世界の全てに関わっていない頃…。
あの時が何より幸せだった。私に取っては、何時もと呼ぶ黒鷹が、主の前ではからかっている。
そんな日常が続くだけだと想った。でも、何処かが違った。
何時もと何かが違った。楔の鳥は誰になるのかは、予想出来ずにいたから…。
黒鷹:少し良いかな…、大切な話があるんだ…。
それは私の想いだけだった。主が側にいる…だけれども黒鷹は真剣だった。
それ以上に黒鷹から告げられたくなかった。それ以上に聞きたくはなかった…。
黒鷹に、私は明るく元気に問いかけて欲しかった。
何時も優しくからかって欲しかった。だって…黒鷹は何時もそうだから…
黒鷹:、私は…。私は…この世界の楔になる。
:君には告げたくなかったが、事実を言わなければ諦めがつかない…。
何時も黒鷹は勝手だ。自分自身の想ったままに行動をして…。
何時も私自身を困らせて、主を困らせて…。本当に勝手だ…。自分が決めた事は成し遂げるのだから…。
だから告げられて欲しくなかったのかも知れなかった。
本当の意味で私は、黒鷹から離れたくなかった。楔の一羽は既に決まってる…そして二羽は…。
:そっか、世界の…楔になるんだ…。
言わなければ、黒鷹が彷徨ってしまう…その心が、だからけじめを付けなければ駄目…。
黒鷹が決めたのなら私も決意しなければならない…。主の定められた世界の秩序の為だけに…。
:もう…私は、黒鷹には必要ないんだね…。
偽りの笑いを見せなければ黒鷹は、決意を鈍らせてしまう…。
そして、これ以上何も告げないで欲しかった。私自身が後悔をしてしまうから…。
黒鷹:を愛しいのは変わらない。だが、主の望みは絶対だ…。
:例え我々鳥が…変わろうともな…。
主は、これを望んでいたのだろうか…。それとは逆に、私は主の望みを望んでいない。
黒鷹がその言葉を継げた後、何時もと変わらない黒鷹がいた。
そう黒鷹が私にその言葉を継げてから、白梟は心を持った。白梟はまだ作られたばかり…。
それでも私は知っている、鳥も心を持っているのに…。
そして、黒鷹は変わった。私ではなく白梟をからかいの対象となっていた。
それは私にとっては、虚しい存在と成り果てていた。心の中で黒鷹がいないのだから…。
:私、黒鷹には…もう…必要ないんだ…本当に…。
慰めてくれたのも主だった。私の顔からは何度も雫が落ちるのに…そして泣き止まない。
そんな私の心は、玩具を彷徨うように…壊れはじめていた。
研究者:そなたには、まだ片翼は存在しない…。なれど…そなたは我が元にいよう…。
そう、主は私を世界のシステムには入れなかった。そして何より、主は私を手放そうとはしなかった。
そして逆に私は、黒鷹の心を捨ててまで主の側で、主の為だけに働いた。
そして、私にとっての運命が決められた。そう新たな世界の楔としてのシステムで…。
研究者:今日からお前の片翼だ…。
それが、主の言葉だった。まだ心を持たない四羽目の鳥…。
主は、また新しい玩具を蘇生なされた…。既に、あの二人は…黒鷹と白梟は必要ないのだろう…。
白銀の長い髪を持ち、緑の瞳を持つ彼、朱雀〔すざく〕は…私が心を入れた…。
それは片翼と知っていたから…そして何故か黒鷹に見えたから、だからだろうか…私は黒鷹を求めている。
朱雀:お前は…相変わらずだな…。
心あらずといった今の私の感情を知っているのか、主が去られた後に片翼がいた。
でも私は、片翼の朱雀でも言葉を告げることを拒絶している。そんな私を朱雀は見つめている。
朱雀:っはぁ〜…行けよ…。
朱雀の言葉が私には途方もなく遠くに聞こえた。
朱雀は何を私に今、告げたのだろうか…。片翼はここまで導けるのだろうか…。
:っえ…。
朱雀の瞳は真剣だ…。あれから私は、余り朱雀とは言葉を話していない。
告げたとしても何もないのだ…。心を持たぬ者として…。
朱雀:主には黙っといてやる…だから行けよ…黒鷹の元に…。
朱雀のその言葉は、今までの私を忘れさせてくれる…。
何故なのだろう…。こんなにもこの言葉を待ち望んでいたのは私なのに…。
朱雀:後悔するかも知れない。けれども…お前が決める事だ…。
:銀の鳥は、御使いとされ崇められた者だ…あの世界では…だから行けよ…忘れられないんだろ?あの世界が…黒鷹が…。
朱雀は黒鷹と同じなのね…本当の意味で感情もそして考え方も…。
主に黙すことなど朱雀はあまりしない。それでも片翼の私には求めているものを与えてくれる。
だから私は、主を憎んでも、朱雀…貴方だけは信頼できる。
それは本当の気持ちだから…私は迷う事をもう許されない…。それが答えだから…。
:貴方は…何時もそうなのね…。
朱雀:おっ大きなお世話だ…///
照れている所も、行動も何一つ全て、黒鷹にそっくりなのだから…。
その答えは変わらない。朱雀も黒鷹も…。
また、この時期が来てしまった。君は何時もこの雪を見て素敵だと呟いていたね…。
主が、作られた残酷なこの世界を…それでも君は主の者だから…。そして白梟も私もこの世界の者だから…。
黒鷹:君が…私の楔である対じゃなくて良かったよ…。
そうこの世界は、余りにも素敵であり余りにも醜い世界だ…。それが主の定めた真実だから…。
私は、この世界に滅びを与えるのが役目の黒い鳥だ。そして白梟は、世界を維持するのが役目の白の鳥。
黒鷹:もし君が…対ならば私は、この役目を悔やむかも知れない…。
:そして楔になった事を全て後悔したかも知れない…。
この世界は、滅びが近づくと二人の子供が産まれる。我々はその子供を守り結末を迎えるのを見届ける役目だ。
そしてこの世界には、管理者の塔が存在する…。そう主が以前いた場所…そして主の御使いとしたのが銀の鳥…君だった。
その存在を運命づけたのは主だ…。我々は主により生み出された鳥…反論など出来はしない。
黒鷹:玄冬…逃げ続ければ良い…それが君の役目であり世界が終わるのだから…。
私はまたこの世界が終わろうとしているのを見続ける。玄冬と花白が逃げ続けているのを…。
救世主である花白は私と同類なのだろうね…。恐らく…ずっと…。
朱雀:主には、言い訳は通用しないのだろうな…。
俺は何時も片翼である…君の為だけにあるのだから…。
主の創造されし世界など、俺には関係ない。お前は…は覚えていないだろうが…心を入れた時の気持ちを…。
俺に、その気持ちを与えたのだから…俺が全て悟っているんだ…。
心を入れたのはお前だから、そしてお前の一番強かった気持ちは俺の中にもあるから…。
「黒鷹を…黒鷹にもう一度…会いたい…。たとえ片翼でなくても…。」
それは、事実なのだろうな…。確かな意味で、確かな気持ちで…だからお前は主に逆らっていた…。
それが今の私の答え…銀の鳥としてではなく自分自身の気持ちだから…。
少なくとも俺は、俺は…片翼の…お前が側に居てくれるだけでそれでよかった。主何て俺には関係なかった…。
が…幸せでいてくれることが俺の全てであって俺の代価だった。
朱雀:おのが世界も…君には…同じに見えるのだろうね…。
俺はこの世界を主と共に、そして片翼のと共に築き上げてきた。
は俺に一度告げた。主はまた同じ事を考えていると…人が人を傷つけない世界を求めていると…。
俺はの意見に同感だった。争いは争いを呼ぶし、争いのきっかけは分からない。
最初から人の宿命は定められているようなものだ…俺達、楔の鳥はそれをほんの少し手助けするだけ…。
朱雀:ただ何時になったらこの世界を…この秩序を…主は…研究を諦めるのだろうね…。
俺は心の中で主の考えを笑っていた。そう主の考えは本当に馬鹿馬鹿しいからだ…。
鳥である俺は、主には逆らえない…。それはも黒鷹も…白梟も同じだからだ……。
研究者:朱雀…の姿を見ぬが…。
主のことを考えていれば本当に主は来る…。尋ねられる鳥は俺だけだから…。
心の中の笑いを俺はこらえている…。主は本当に子供じみてるから…。
朱雀:さぁ〜自分の世界にでも途方をくれているのではないのですか?主よ…。
研究者:どうせ…あれも失敗作か…。分からんがな…。
失敗作さ…全て…主が蘇生をなされた俺達鳥も…世界も全て失敗作さ…。
主よ…それを貴方は何時になったら気づくことができるのでしょうか…。俺は、主を本当に見つめている…。
研究者:対が居なければそなたも役にはたたんと言うのに…。
朱雀:えぇ〜どうせ俺は失敗作の黒鷹と同様の心を持った鳥ですよ…。
主には生意気しか言えない…。俺は心の中では本当に主を感謝しているから…。
主が俺を蘇生しなければ、俺はこの世界にはいなかった…。
そして…。俺は君の為に産まれた鳥だから…そう対の鳥だから…。蒼天の鳥だから…。
俺は死を齎す鳥…。そして君は、生を齎す鳥だから…。この世界の秩序は、あの世界に少し似ててそうじゃないから…。
黒鷹は、今…何処にいるのだろうか。私は素直な気持ちに戻れてしまった…。
それは全て対である朱雀のおかげ…そして黒鷹のおかげだから…。
今の私にこの世界を維持する為の役目はない…過去…主がこの世界を放棄する時に役目はなくなったから…。
管理者の塔…本当ならばここへも二度と訪れるはずはないと思っていた場所だった。
そしてこの世界が、主が放棄されても維持出来るのは黒鷹の願いだから…。
そして白梟は主のお帰りを待ち続けている。無理だという事を私は知っているから…。
:空間転移装置を…使うしかないの…。
本来なら私はここにはいない。けれども…朱雀に支えられて、今ここにいるのだから…。
そしてこれから先、私は黒鷹に気持ちを伝えなければ後悔をする…永遠に…。
何時も身に着けていた空間転移装置…。けれども使うことを拒んでいた物…。
だけれども…今は…今だけは、これに頼るしかなかった。黒鷹の元へ訪れるしかこれしか方法はなかったから…。
:〔お願い…私を、黒鷹の元に…黒鷹に会わせて…〕
私の周りで次元が揺らいだ…。そして私は管理者の塔から黒鷹の元へと転移をしたのだった。
そしてその場所は何処なのかが、分かってしまった。心がざわめいた…。何より其処は私が最も知っている場所で訪れなかった場所だから…。
そう白梟が居る場所…。黒鷹の対がいる場所…。今になって思っていた事…それ以前にずっと前から思っていた事がある…。
黒鷹は、私より白梟を選んでしまったから…。銀の鳥のままで、私はずっと黒鷹と白梟を見つめていた…。こんなにも後悔しているのに…。
君は来てしまったのだね…。また…醜いこの世界を…。
私は、白梟をからかっていた。けれども君の事は何時も直ぐに瞳に入る。
まさか、本当に戻ってくるとは思わなかったから…そうこの世界に…。
銀の鳥は幸運を呼ぶ…私は、君が鳥の姿の時は本当に素晴らしくて美しいと思った。
君を愛おしいのは変わらないから…。だから私は、君との対だけは心の中で拒んでいたんだ…。
黒鷹:白梟…私は失礼するよ…客人が増えたのでね…。
白梟は雪に染まった世界から、その鳥を見つめていた。そう君だ…銀の鳥である君…。
白梟は何も言わない。そしてそっとその鳥を見つめている…。
白梟:貴方は本当に…咎人ですね…。
咎人か…それは正しいことなのだろう…。君は恐らくここに来る理由は私なのだろうね…。
心から君は、私のことを思っているのだろうね…ずっと…。
黒鷹:何のことかな…私は仕事があるので失礼するよ…。
本当に…黒鷹…貴方は咎人ですこと。私は、貴方を知っている…。
また、迷っていられるのですね…。この世界の秩序を…そしてあれの存在を…。
白梟:貴方が迷う程…彼女も苦しむというのに…。
貴方の気持ちは誰の者なのでしょう…。
主よ…あのような鳥を作られた事をどのように思っているのかしら…。
黒鷹:…いるのであろう…。
私は、そっと感情を殺していた。何故ここに、君が来るのかなど関係なかった。
約束と君、私はどちらを大切に思っているのだろうね…。
黒鷹の声が聞こえる…。でも私は…貴方を…。所詮…主によって作られた鳥だから…。
黒の鳥は、何時もあの時からずっと変わらないのね…。
:………………………
君は話す事をしないのだね…。それでも良かった。私は君を傷つけてしまったから…。
君の顔は、怒りかな…それとも哀れな悲しみかな…私にはない…君自身の鳥の感情だね。
黒鷹:相変わらずだね…君は、片翼の朱雀はどうしたのだい…。
変わらないのね…。貴方は何時も、気障な所から始まって、生意気なことばかりはじめる。
ただ私は貴方を思ってたのに…少しの力が抜けてしまう…。
:私より…。
痩せたね…君は…私が別れを告げたあの時から君は、痩せたと思った。
それだけ私は君を傷つけてしまったのだから…何を言われても良かった。君に合わせる顔がないから…。
:私より…黒鷹は、白梟…彼女のほうが大切なんだ…。
馬鹿だ…。私は、何を告げてるの…ただ黒鷹にこの想いを伝えたかっただけなのに…。
なのに、私は、また貴方を傷つける言葉を言っている。そう互いに傷つけ合ってるだけの存在だから…。
黒鷹:あの時の言葉を私は君に告げていないね……。
おそらく今、言わなければ君は泣き続けるだろう…。心も体も…そうすべてが…。
これ以上、君には限界なのだろうね…。私を想い続けることが、傷つけられることが…。
黒鷹:あの時の私は、君とは対になれなかった…。この世界同様に君を傷つけだくなかったから…。
:嘘…。私は知ってる…貴方が思ってるのは私じゃない…。
主を貴方は何時も思ってるのね…どんな時でも…。
嘘…何もかもが全て、嘘…貴方の言葉を信じることなどできないから…。
:………………………///
君を抱きしめても、君は私の求めている答えを問いただしてはくれないのだね。
私は君を、どんなに対にしたかったか…どんなに君を思っていたか…それを全て嘘にするのだね。
それでも構わないさ…。君が幸せでいてくれれば、主の側にいてくれれば…。
私には君を守ることはできないから…それ以上に約束があるんだ…そう大切な約束が…。
黒鷹:愛してる…君を…愛してる…。
馬鹿だ…私は、こんなにも好きなのに…。でも正直にはなれない…。
だから私は貴方を傷つけてしまう…同類なのね…私と貴方は…。
:嘘…何度呟いても…何度囁かれても…私は貴方を信じられない。
互いに傷つけることが、私たちには必要だった。それが真実…。
そう…その場を逃げ出すしかなかったから…。
それでも良いさ…。そして私は君を追いかけない…。
何故か…それは君が一番良く知っていると思うから…。私と君は互いに違うんだ…。
朱雀:黒…鷹…。
俺は本当に頭にきてしまった…。俺は対が気になっていたから…。
だから、様子を見にきた…だが、お前たちはまた…互いを傷つけあっちまった。
本当に怒りを面にだしたのはこれで何度目だろうか…。
もう忘れちまった。黒鷹の首元をつかんでも、黒鷹の表情は変わらないから…。
黒鷹:朱雀…見てたのだね…。
相変わらず変わらないな…あんたの気障な性格は、対が何処を好きになったのかは知らないがな…。
けど、黙ってるほど俺は、あんな結末を見届ける性格じゃないからな…。
白梟:おやめなさい…朱雀…。
俺の怒りは、白梟によって遮られた…。俺は自分自身を失っていたんだ…。
俺の怒りを沈めてくれる奴なんて居るはずがないんだ…誰も…いないから…。
朱雀:白梟…。
貴方は対のことになると、我を忘れるのですね朱雀…。
私はそんな貴方を知っている…主がこの世界を離れる前に、そうもまだこの世界に居た頃に…
貴方は主により作られt…。玩具を生み出すことが何を意味していたのかは分からなかった。
そして何より、主がこの世界を放棄してしまったことが分からなかった。主が何をお考えなのかも…。
白梟:貴方の気持ちは…良くわかります…。
:私も彼女と同じ鳥です…。対ではありませんが…。黒鷹…この世界の前…何があったのです…。
白梟に問われるとは思ってなかった。前の世界…忘れたくもないな…。
君は確か、あの世界でも主の御使いだったね…あの世界を維持する為の…。
そう私は君を見続けた…主の側で、だけれども失敗作な世界を作った主は…。
君と共にあの世界を壊した…そして君はまた御使いとして主によって、同じ記憶を持って生まれた。
そう私は君に心を与えた…二度と…あの思いをしたくなくて…。
黒鷹:過去は…過去だよ…白梟…。
:君に話しても何も意味はないじゃないか…。
白梟:本当に…貴方は咎人なのですね…。
そう言うと君は、梟になって私と朱雀の側から離れていったね…。
哀れな瞳で朱雀を見つめていたね…白梟…君は…。
黒鷹:朱雀…君に何を言われても構わないよ…これが私の望んだ結果だ…。
朱雀:お前、馬鹿だ…。俺はお前や白梟より後に生まれた鳥だ…。
:だが、俺には分かる。初代、玄冬との約束と…どちらが、大切なんだ…。
本当の答えをあんたは応えてくれないことを俺は一番知っている。
だから問いただすだけ無駄だってこともだ…けれども黒鷹の口から聞きたかった…。
黒鷹:どちらもだよ…朱雀…。
その微笑ましい顔…お前は何時もそうなんだな…。
相変わらず、お前という奴は…本当に、馬鹿なんだ…本当に…。
朱雀:気障だな…お前は、だけどな…黒鷹、正直になれ…馬鹿が…。
:壊されるのが嫌なんだろう…主にまた玩具として蘇生されるのが…。だから…。
その気持ちを私は受け取って良いのだろうか…。
そして、主はこれを見ているのだろうか…。私は全てにおけて失格だな…。
黒鷹:正直にっか…朱雀、礼を言うよ…。
朱雀:五月蝿い…。お前に礼を言われる程のことじゃない。
:だが…借りは返せ…。絶対だ…。
君は素直じゃないね…何処か、玄冬にそっくりなんだろうか…。
私が、素直になったら、君は私を認めてくれるかな…。
俺は、対の彼奴の気持ちを知っているから…だから素直な彼奴を認めて欲しいからな…。
黒鷹…いい加減築きな…俺の対のはずっとお前を待ってるんだぜ…。
馬鹿だ…何で馬鹿なことを告げてしまったのだろうか…。
どうして黒鷹の前では、素直にならないのだろうか…本当に、馬鹿だ…。
黒鷹:…。
:黒…鷹…。
嫌…今だけは会いたくないのに…何で私を見つけ出すの…。
何で私をその瞳で見つめるの…見たくないのに…貴方は、何故何時もそうなの…。
黒鷹:もう逃さないよ…。
そう言って抱きしめられても、私は貴方を信用できない…。
もう私の心は壊れてるから…壊れた玩具に過ぎないから…。
:…………………馬……鹿…////
黒鷹:やっと素直になってくれたね…。
君を見ていると私は、主に作られた世界を忘れる…本当にこの世界は美しくない…。
世界が美しくないから…私達は輝けるのだよ…消してそれは忘れてはならないのだろうね…。
〜 Bonus Histry 〜
研究者:朱雀、何処へ行っていた・・・。
主はやはり感づくのが早い・・・俺が珍しい事をやってるからか・・・。
何時もシステムの調整はだったからな・・・そう言えばやけに今日は主がご機嫌斜めだが・・・?
朱雀:主よ、俺が見届ける世界を見に行ったのが、ご不満ですか・・・。
主の視線が少し怖いのは俺の気のせいだろうか・・・。
そう言えば通路側でが、笑っているが・・・あぁ〜そう言えば俺はこの世界を観てからずっと彼奴の笑いを見てなかったけ・・・。
研究者:馬鹿が・・・どのみち前の失敗作の世界にいたのだろう・・・。
何だ・・・既に主は分かり切ってるではないですか・・・何故今頃に聴くのですか・・・?
つうより、居ない方が普通、主には気楽ではなかったのですが・・・!?
研究者:お前達は全て失敗作だな・・・騒がしい鳥が二羽も増えた・・・。
は!?二羽増えたって・・・ちょっと待てぇ〜まさか・・・。
俺は青筋を見せるしかない。毎回の事だが俺は直感が優れているからな・・・。
が笑っていることも疑問に思っていたが、それ以上に・・・。
俺は、の側へ向かって話しかけてる人物を見つめて呆れた・・・。
黒鷹:そのまさかだよ・・・朱雀・・・。
朱雀:やっぱあんたかよ!?しかも・・・白梟まで!?
その黒鷹の笑いは俺には一番質の悪い性格なんだよ・・・。だいたいなぁ〜何でここに!?
は案外、微笑んでるし・・・俺はもう嫌・・・。
黒鷹:いやぁ〜お咎めをくらってね・・・二人から・・・。
だから、お前等のお咎めは関係ないだろうが・・・。
溜め息混じりに俺はを見つめて一言話すしかなかった。それは当然の事なのだけれども・・・。
朱雀:・・・後で説明しろよぉ〜。
:何を・・・朱雀
その微笑み・・・最初から俺の事一番良く知ってるだろうが・・・!?
俺・・・泣きたい・・・。お前等は良いだろうが、俺は何時も八つ当たりの役目になる事を・・・。
その日から俺には・・・地獄の日々が始まりを告げたのである・・・。
俺だけ・・・こんな終わり方かよぉ〜はぁ〜。
朱雀:なぁ〜お前等・・・。
研究者:朱雀・・・システムの調整がまだだぞ・・・。
背筋が凍る思いをしたのはこれからであった・・・。
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Music Box/VAGRANCY 志方あきこ by:暁闇の海 |