花帰葬 --君と歩む未来--



雪は綺麗だ・・・主がこのような世界を望まなければ・・・。
主が去られた後でも、我々鳥は、此処を維持するのが役目・・・。

黒鷹:君がいなくなっても・・私はそう・・今でも覚えているのだろうか・・・・。

あれはいつの事であろうか・・主が気紛れに作った鳥は・・・。
私は彼女にあんな鳥に、本当に肩入れしすぎだな・・・。

黒鷹:また時期に冬が来る・・この世界は季節なんて関係がないように・・・。

君がまだこの世界に生きていたら、君はこの世界をどう思う。
君はこの世界で何を望み、何を見つめて生きていると思えるのだろう・・・。

黒鷹:あれは・・まだ私が、君にどう思っていたか気付かなかった時だった。

思い出せば、今は考えれば考える程、君以外を必要とは思えないのにな・・・。
どうしてこう気付くのが遅かったのだろうっと・・・思ってしまう。



君と歩む未来




白梟:また考え込んでしまっているのですね・・黒鷹・・・。

この世界に彼女が不要と主から言われた時、黒鷹がどう思ったのか正直知らない。
それでも黒鷹は主には反発しなくて、それでも何処かで拒んでいた。

白梟:そして今はまた・・・あの時と同じ・・・。

彼女がこの世界で眠り続けているのを黒鷹は知らない。
彼女を目覚めさせる事が出来るのも誰かは知らない・・正直いないのかも知れない。

白梟:黒鷹・・もう貴方の考えは辛いものばかりですね・・。

今は何も言えない。この世界の意地だけが私達鳥の役目なのですから・・。
片割れの感情だけに心を揺らぐ事は出来ないのだから・・・。そうあの頃から・・・。

黒鷹:どうしてこう君は飽きもせず・・星ばかりを見つめている事が出来るのだね・・。

背後で声をかけられて、私は何処か暖かさを感じた。
既に身体は冷え切っているのに、なのに黒鷹といると本当に安心できた。

でも私を作ってくれた主だけは、安心できなかった。
何故かいつも不安にされた。正直分からない程に、でもそれでも良いと思ったから・・・。

:この世界っていつ完全に活動するのかな・・・。

そう呟いても私は、何も分からずじまい。
自分の手にある力は何の為に必要な物なのかも分からなかった。

そうただ簡単に言えば主は教えてくれなかった。
私に心が宿ってからも、主の考えは分からぬまま・・ずっと世界と共に見続けてきても・・・。

黒鷹:そんなもの・・どうでも良いよ・・君が此処にいてくれるだけで・・・。

貴方はいつも私にばかり甘えてくる。
正直嬉しいのか、嬉しくないのかって答えをいうと分からなくなる。

だからあまり、白梟と黒鷹の側にいたくないのに・・・。
でも黒鷹は私を捜してしまう。私が何処にいても必ず見つけ出してその笑顔を見るから・・。

本当に甘えているのはどっちなんだろう・・・。
分からないよ・・でも正直に考えてしまえば甘えているのは私・・・。

黒鷹:またいつもみたいに歌ってはくれないのかい・・・。

そんな言葉を呟かれたら、私は舞ったり歌ったり・・・正直、私は何なのだろう。
主の考えからしてみれば、私は人形・・ただそれだけの存在なのに・・・。

:歌いたくはないな・・星を見ていたいから・・・。

そう言えば、黒鷹は私の側から離れない。
正直、離れないでいて欲しい。そんな考えが正論だから・・・。

黒鷹:何を考えているんだね・・仕事もせずに・・。

仕事っか・・私は何のために仕事をしているの・・・。
正直、何の為に歌っていたり舞っていたりしているの・・・。

この世界が完全に目覚めたら、私は用済みなのかな・・・。
季節の維持って何だろう・・そんなの自然が行う事じゃないのかな・・・。

:主が持ってた本・・一冊盗み読みしちゃった・・・。
  :ねぇ〜黒鷹、私って必要なの・・白梟や黒鷹のように・・本当に必要なの・・。

考えれば考えるだけ頭がいたくなるの・・・その一冊の本が本当の世界に見えて・・・。
でも私からしてみれば、主がお作りになった世界が全て・・・。

私は季節の維持の為に作られた鳥・・ただの銀の鳥・・。
この世界が目覚めたら私は眠りにつく鳥・・そう教えられてきた・・・なのに・・・。

楔の鳥とは訳が違うの・・主が必要とした時にだけ目覚めて・・・。
不要となったら壊される鳥・・・私はただの玩具にしか過ぎないという事。

黒鷹:どうしたんだ・・急に・・そんな考え方をする何てらしくない。

そんな私の考えを黒鷹は受け入れようとはしなかった。
逆に言えば、主に忠誠を誓う誠の鳥のように・・・。

そして、本当に・・私が恐れていた事は突然訪れる・・・。
やっぱし、私は人形なんだ・・・どんなに足掻いてもいつかはまた主によって壊される玩具・・。

白梟:主よ・・考え直して下さい・・お願いです。

何度、白梟がお願いをしても主は考えてはくれない。
私に望み、希望なんてない。誰かを愛しい、好きと思ってもその言葉はけして遠い未来誓いにはならないから・・・。

研究者:此処より先は以外入ってくるな・・いいか白梟・・黒鷹には伝えるな・・。

嘘・・・黒鷹はこうなる事を前の世界で知っている・・・。
そして、黒鷹は全て逃げる為に自ら世界の楔の鳥になった・・それが正直な正論。

そして私はまた黒鷹が知らない内に眠りにつく、そう深い眠りに・・・。
主が再び目覚めさせて、その役目が必要となる時までずっと・・・そう本当にその時まで・・・。

研究者:眠りにつくまえに聞こうか・・、お前は黒鷹の事をどう思っている・・・。

分からない・・・私の心の中では好きという事以外、何も分からない。
それが、今までの全て、でも私はできれば・・また今のように黒鷹に目覚めさせて貰いたい。

一度、主が破棄した世界の時も眠りにつかせてくれたのは黒鷹だったから・・・。
私はどうしても主の決定事項を受け入れている。そして逃げ続けている・・・なのに・・・。

:分かりません・・・。

この時だけは主の顔を見ることだけは拒んでしまう。
次に目覚めるときまで作られた生みの親の顔を見る事は出来ないのに・・・そう黒鷹にも・・でも・・・。

研究者:涙を止めろ・・でなければ・・この世界は雨が降り続けてしまう・・今は安定しているにもかかわらず・・。

やっぱり私は貴方にとっては、ただの玩具・・・。
役目が終われば、次の役目があるまで眠り続けるしかなくなる存在。

この時だけは誰かの優しさが欲しかった。
だけど・・もう分からなかった何もかもが・・・そして私はまた眠りにつく・・。

研究者:・・・次に眼を覚ます時は我ではない・・黒鷹に目覚めさせて貰え・・・。

うろ覚えの言葉は私の耳には届かなくて、主の温もりを初めて感じたのはその時だけだった。
でも私は、本当のいみでその言葉の意味を悟ってしまった。もう用済みという事・・・ただそれだけの意味。

黒鷹:また眠りにつかせたのですね・・彼女を・・。

あの時、無断でそのようにした主を私は許せなかった。
けれども、この世界を再び壊す事を主が決めた時、私はそれを拒んだ。

だが、主が何を考えていたのか分からなかった。
その後、が何処で眠りについたのか主以外は知らないと思った。

白梟:黒鷹・・・。

今の我々鳥には役目がある。
それでも、考え込んでしまう事もある・・・。

黒鷹:何のようだね・・白梟・・。

敵同士であるにもかかわらず、どうしてこう我々は時々気持ちが通じてしまうのだろう。
感情などもうとっくに捨てたはずだった。そう思っていたが・・・。

私の元に、一つの鍵が落ちた。
この鍵は前にも何処かで見た事があった・・そう主が持っていた鍵だ。

黒鷹:何がいいたのだね・・白梟・・・。

鍵を拾い、私はまじまじとその鍵を長いこと見つめた。
塔の何処かの部屋の鍵のようだが、私はその場所をあまり把握している訳ではない。

白梟:・・・その鍵を使えば・・・のいる部屋に辿りつきます・・。

そう呟いた時、私は正直、白梟が何を思っての行動なのか分からなかった。
この世界に、既にはいないはずなのに・・何故・・・。

白梟:何故、私もこのような行動をとったのか分かりません・・。ですが・・。

白梟は何故か考え込んで、一呼吸してから私を見つめた。
悩んだ挙げ句の結論だという思いから・・・。

白梟:主が何故、この鍵を託したのか分かりません。
  :ですが、黒鷹・・貴方のそのような表情はもう見たくありません・・そして花白・・彼も・・。

黒鷹:今、この世界には必要はないはずだ・・主と共には新たな世界にいる・・。

意地を張っていても白梟には見抜かれてしまっている事は分かっていた。
だが、今はからかう事もできなかった。正直・・こんな気持ちで・・。

白梟:貴方の考えはもう十分です。この世界はもうどうなるか分かりません。

そう告げて、白梟は私の元を去ってしまった。
だが、白梟から受け取った鍵だけは、私の気持ちを揺らいでしまった。

そして私は、塔へと赴いた。此処にいても、今は何も意味がないというのに・・。
それでも私はこの塔の事をあまり知らない・・知っているのは我々鳥が仕事として使っていた場所。

そして我々鳥が住んでいた部屋・・・ただそれだけ・・・。
そして主の部屋の奥の部屋には訪れた事はなかった。

絶対に立ち入ってはならないと言われていた部屋。
そこに何があるのかも我々、鳥は知らなかった。例えそこにに関わるものがあっても・・・。

鍵を開けて見た・・そしてその扉の部屋は綺麗な場所のように思えた。
素朴にも、そこはベッドとタンス、そしてライトしか置いてない部屋・・・。

考えれば、私はの部屋には入った事はなかった。
そして、その先にはまだ扉があって、その扉を開けた場所は辺り一面、クリスタルに覆われた場所だった。

その中枢に、の為によういされていたのだろうか・・・。
ずっと使われておらず、ホコリまみれになっているハープが存在していた。

黒鷹:この部屋は・・最初の世界にいた時と似ている・・・。

そしてその先の奥へと続く、通路があった。此処から先は主以外誰も知らない。
そして私自身、初めて訪れる場所でもあった・・・。

元々は、目覚めた時から世界にとって必要になる存在。
その世界が安定するまで、役目が終われば、また必要となる時まで目覚めを待つ物。

その場所は素朴で、の心そのものを画いていた。
そして、そこには既にもう数年の時を経ていたのか、彼女の身体は半分が結晶となりかけていた。

黒鷹:私に残してくれたのか・・・主は・・を連れて行かなかったのか・・。

結晶化が完全に結晶となってしまえば、は目覚める事は二度とない。
そしてそのものは、完璧に役目がなくなり壊れた存在となるだけ・・・。

主がに眠りに付くとき飲ませているその薬は自らの力の活動を停止させるもの・・・。
そしてこの世界からの力を排除させる為に、に飲ませていたもの・・・。

そして、次の世界では、結晶となる前に再び目覚めさせる・・。
それ故に銀の鳥と主は呼んでいた・・そして成功作とも・・・。

黒鷹:・・・また・・私に彼女を目覚めさせろと・・貴方はいつも我が儘ですね・・主よ・・。

このまま、が何も知らずにいたら・・は幸せなのだろうか。
だが、此処に残した事はいうまでもなく、主にはもうは必要のないっという事。

そしてこの箱にはに、幸運をもたらす為に残した存在・・・。
主の考えは全く訳が分からなかった。そして白梟の考えも・・。

:・・・・・黒・・・・鷹・・・・。

目覚めた時、最初に側にいて欲しい人物がいたとは思わなかった。
私はまた主によって目覚めさせられると思ったから・・・身体がだるかった。

だけどそれ以上に、私は瞳を大きく開いた。
黒鷹が側にいる・・まだ結晶化が溶けていなくても目覚めたら分かった。

黒鷹:気がついたか・・・・。

少しずつ、結晶化は溶かれていく、目覚めの薬はこれだけだった。
この選択は一度しか許されないっという主からのメッセージだった・・・。

:そっか私・・まだこの世界にいるんだ・・必要なんだね・・。

黒鷹:また奏でてくれるかい・・この世界に春を告げる音色を・・そして季節を・・。

そんなの当たり前だよ・・私は貴方の為に目覚めて、貴方の為に役割を果たす。
私は貴方だけの鳥だよ・・もう主は関係がなくなってしまった。

ただ・・黒鷹・・貴方だけ・・愛するものを守るためだけの鳥に・・・。
そしてこの世界に私はまた季節をもたらした・・・そう別の方法で・・。

そしてこの世界の全てが変わろうとしている・・・ほら、始まりの息吹が聞こえてるから・・・。


Music Box/VAGRANCY 志方あきこ by:Danza,fanciulla gentile
「・・・・・・・・」な状態です。(何書いてるんだぁ〜(-_-))
いや、完璧二次創作ですよ・・はい・・でも何ですか!?この設定・・

自分で書いてても何でか、まだ物語がありそうなないような・・(意味不明)
具体的に話を知れば、何故か「アルトネリコ 世界の終わりを詩い続ける少女」を画いていて・・・

まぁ〜簡単に言えば、ミシャ・・(ゲーム知らない人は分かりませんね^^;)
しかも何故か、の設定は自然を操る力を持つ鳥・・・おぃ・・

役目が果たされれば、また次の世界まで永遠の眠り・・・
しかもそのまま、目覚める事がなければ結晶となり死ぬ・・・うわぁ〜

自分で書いてて何だけど、こんな展開は所謂ファンタジー・・・
ぶっちゃけ、花帰葬の世界観あまり関係なく書いて見たりして・・・

まぁ〜面白かったのでこれはこれで良しとしますか・・・
真面目にこの作品、皆様から見てどのような好印象を貰えるのか分からないけど・・・

皆様のご意見、ご感想など貰えたら嬉しいです。
此処まで読んで下さり有り難う御座いました。次号作品もお楽しみに!

By:七瀬 ネイ

※本作品は、公式サークル様、花帰葬とは一切関係が御座いません。
また、本作品は二次創作の花帰葬となっております。下記をお守りの上、愛読下さい。

尚、花帰葬の物語等、また花帰葬サークル様をご存知のない方は愛読はご遠慮下さい。
本作品は、花帰葬の規約そって公開しております。尚、音楽は、VAGRANCYサイトの規約にそっております。