聖地の祈り









最終節 旅立ち
 
 その日の夜は沈黙が保たれ続けていた・・。
 町の灯りも既に消え、一つの屋敷の部屋のみに灯りが保たれる・・。

 一本のろうそくは旅立つ者へのしきたり・・。
 町での習わし・・ろうそくが保たれている部屋は梅流の部屋・・。

 そこには既に旅立ちを整えた仲間がいる・・。
 沈黙と静寂が永遠に続く・・。

 彼らが真実を知る日も近いのかもしれない・・。
 真夜中は全てが闇に染まる・・。

 孤独という黄昏にそまって・・。
 瞳の閉じる羅威・・静かに誰かを待ち続ける・・。

 扉の音が微かに開く・・。
 風でろうそくの炎が揺らぐ・・。

 羅威:よぉ〜蔵馬・・

 蔵馬:待ったせてしまったか・・?

 羅威:いや・・全く・・

 羅威からは昔の微笑みが伺える・・。
 それでも旅のしきたりどおり彼らは動く・・。

 癒羅:そろそろ出発どき・・・

 羅威:あぁ〜梅流・・

 梅流:行くの・・もぉ・・

 癒羅:えぇ〜もう始まりを告げる・・。

 その場から仲間も全て出発・・旅立ちへ・・。
 静寂を迎える夜・・そこに見守る陰があるともしれずに・・。


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Music Box/VAGRANCY by:渇きの丘