犬夜叉:何だ、この音色・・・。
犬夜叉の犬耳が微かに動くたびに、遠くから微かに響く音色に疑問を感じたのであった。
ただその音色に導かれるように、そして犬夜叉はその先にいる人物にただ驚いたのであった。
:・・・貴方先程から私の音色を聞いてたね・・・。
その言葉に犬夜叉はただ緊張しながらも目の前にいる妖怪、に近づいたのであった。
ただ、はそんな犬夜叉に苦笑しながら微笑んだのであった・・・。
犬夜叉:お前、何処の国の出だ?
そんな犬夜叉の言葉にただは苦笑しながらも「大陸よ」と呟いたのであった。
それからはただ寂しげな表情をしながらその場で溜め息を吐いたのであった。
:貴方、名は?
は、ただその場で溜め息を吐きながら、ただ犬夜叉の顔を見つめたのであった。
そして、そんなの言葉に犬夜叉はただ自己紹介を行ったのであった。
淡い儚き恋心
:また来たんだ・・・。
ただは苦笑をしたのであった。そんなの表情に犬夜叉はただ苦笑をしたのであった。
それからはただ苦笑しながらまた楽器を引いたのであった。
そう手元にある二胡を引き始めたのであった。
そんなの動作にただ犬夜叉はその場で近づいたのであった。
犬夜叉:なぁ、お前、どうしてそんな身体でずっと此処にいるんだ?
そんな犬夜叉の言葉にただはその場で微かに動きを止めたのであった。
それからはただ「さぁ、どうしてでしょうね」と苦笑交じりに語ったのであった。
:貴方、殺生丸の弟なのでしょう?
犬夜叉はその言葉で微かに不機嫌になり「それがどうした。」と叫んだのであった。
そんな犬夜叉の言葉にはただ苦笑しながらも犬夜叉の表情を見つめたのであった。
:好きだよ・・・犬夜叉・・・。
肌寒さを感じる風が吹き荒れる中、はただ小声で語ったのであった。
そんな言葉に犬夜叉はただ、微かにの顔を見つめ何も言えなくなってしまったのであった。
:もう行きなさいよ・・・今日はもう貴方の顔見たくないから・・・。
の言葉に犬夜叉は苦笑しながらも「そうか・・・。」と一言だけ呟いてその場を去ったのであった。
そしてそれとすれ違いにの前に殺生丸が現れたのであった。
殺生丸:、良いのか?
殺生丸の表情を見つめながらその場では「約束でしょ。」と呟いた。
そんなの表情を見つめながら殺生丸は微かに苦笑をしながらも語ったのであった。
殺生丸:貴様が、契約をするからだ・・・黒狐の妖怪などとな・・・。
はただ手に持っている二胡と何よりもその場で溜め息を吐きながらその場で微かに苦笑をした。
そんなの表情に微かに殺生丸は無言のまま見つめていた。そして・・・。
:貴方にそう言われるとは思わなかった。でも貴方が私の封印するのは約束・・・。
:後、七日・・・それまでは私の好きにさせて・・・・。
はそれだけいうとその場から離れていった。
ただ微かに殺生丸の表情を見つめながら、内心では溜め息を吐きながら寂しげに・・・。
:過去に・・・過去に貴方のことを愛してたもの・・だけど、彼は優しかったから・・・。
がどれ程、殺生丸に対してもただ犬夜叉に対しても思っていた気持ちが同じだから・・・。
だけど、はただその場で苦笑しながらも自分の手にある楽器を見つめ溜め息を吐いたのだった。
殺生丸:犬夜叉、この私に何の用だ・・・。
が姿を消して直ぐに犬夜叉は殺生丸を睨み付けるようにその場で殺気を出していた。
そんな犬夜叉の態度に気づいたのか殺生丸はただ苦笑をしたのであった。
殺生丸:それ程までにあの者を好きか・・・。
そんな殺生丸の言葉に犬夜叉は益々表情を不機嫌にしながらも兄に対する殺生丸に殺気をおくったのであった。
そんな犬夜叉の態度に殺生丸は「あやつの呪いを解けぬのにも関わらずっか・・・」と呟いたのであった。
そんな殺生丸の言葉に犬夜叉はただその場で呆然となっていたのであった。
ただ必然的に出会い、そして必然に惹かれあった。それでも犬夜叉と違って殺生丸は何かを知っている様子だった。
犬夜叉:俺だって・・・俺だって、に何が出来るかわからねぇ〜
ただ殺生丸が去る寸前、犬夜叉は微かに苦笑の用に呟いたのであった。
けれど、ただ犬夜叉の言葉の回答をする者などその場には誰もいなかった。
:何処へ行っていた・・・俺の側から離れて・・・。
洞穴に住んでいたの側に近づいたのが誰か、自身は直ぐに理解していた。
外に出れば、必ずこの場所に来る呪いをかけた張本人、にとっては憎むべき存在なのだから・・・。
:別に、貴方には関係ないでしょ。
の琥珀色の瞳は真っ直ぐに漆黒の瞳を睨み付ける。そんなの態度には苦笑をしたのであった。
そんなの態度にただは何もなかったようにその場で拳を握ったのであった。
:でも狙いは私の命だった・・・不死身の天女の命・・・そんなの・・・。
洞穴に以外誰もいないことを確認するなり、ただそう殺気だったように叫んだのであった。
優しくされた事が後悔の始まり、ならばもう誰からも優しさなど欲しくはないという気持ちが溢れていたのだから・・・。
:誰か・・・私を助けて・・・此処から連れ出してよ・・・。
の言葉を洞穴の外で誰かが聞いているなど、自身は知らずにいた。
洞穴の外で、ただの泣き叫ぶ声に犬夜叉はただ沈黙するしかなかったのであったのだから・・・。
風の音が微かに心地よく感じた日、がいつもの場所で二胡を引いてると犬夜叉は現れた。
はただ内心では優しくされるのを拒み、けれど微かに苦笑をし「また来たんだね・・・。」と呟いたのであった。
犬夜叉:俺、聞きたいことがあるんだ・・・はどうして大陸からこの地に来たんだ?
その言葉にはただ微かに苦笑をし、「良いよ・・・犬夜叉、貴方にだけ私の思い出語ってあげるわ」と告げたのであった。
それからは犬夜叉の側に行き、犬夜叉にその場に座ることをお願いするなり、自分もその場に座ったのだった。
:私の母はね・・・父を愛し、父の国に来る事を望み大陸を離れたの・・・私を連れて・・・。
風がの白銀の髪をもてあそびながら、そんな無邪気な風に負けないようにも過去を語り出した。
の過去の話をただ犬夜叉はそっと聞き入っていた・・・。
:その頃、大陸では弱者な妖怪は皆、喰われるか追い出されるかだった・・・。
はただ懐かしい大陸での思い出を忘れないと心では誓っていた。
けれど、それを誰かに語ることなどないと思っていた。の中で何かが変わり初めていたことを本人は気付いていない。
:もう私は決めました・・・貴方の生まれ故郷に私は行きます・・・。
その凜とした声に、白銀の髪の男は漆黒の瞳、漆黒の髪を持つ女性であるの瞳を見つめながら溜め息を吐いた。
は一度、決意したことをけしてねじ曲げることなど頑として譲らない正確の持ち主であった。
:だが、もう二度と大陸へは戻れぬかも知れぬぞ?
白銀の男は琥珀の瞳でを見入るなり、再度確認の為であろうか、その問いをしたのであった。
そんな白銀の男、に対しては「覚悟の上よ」と叫び決意をしたのであった。
:はどうするのだ・・・この屋敷に残しても構わない。だが・・・。
そんなの言葉には「連れて行くわ・・・あの子にはこの地はつらすぎるから・・・」と悲哀のように呟いたのだった。
そんなの言葉にはただ「そうか」とだけ呟いたのであった・・・。
:ねぇ、母様・・・これから何処へ行くの?
はただ母親であるの表情に疑問を感じながらその場で恐怖に感じたのであった。
けれどそれは母親であるに優しくされたことでは安心しきってしまったのであった。
気がつけば、は既に大陸から離れていた。そして全てが始まりとなる地へと訪れていた。
それからは、はただ西国にいた犬夜叉が生まれる前、そう殺生丸と共にいる方が多かったのだから・・・。
犬夜叉:で、親父と殺生丸といた時、どうだったんだ?
話の途中でにそんな疑問をした時、はただ苦笑し「それなりに楽しかったよ」と呟いたのだった。
そしては「それから・・・私はに会った・・・。」とただ小声で呟いたのであった。
:恋仲だったよ・・・でももうそれが始まりだったのだから・・・。
殺生丸から聞かされた事実、そんな事実にただはただ信じられないという表情をしたのであった。
ただ自分の両親から受け継いだ血が影響していることを・・・もう信じられないでいた。
殺生丸:今なら、まだ間に合う・・・に会うな二度と・・・。
そんな殺生丸の言葉にはただ「もう遅いよ・・・。」と呟いたのであった。
の首に巻かれていた布切れに気付いた殺生丸はただ「そうか・・・。」と呟き、の顔を見ずに離れていった。
はただ殺生丸に悟られてしまった自分の首に微かに手を添えたのであった。
けれど、はただ溜め息を吐きながら微かに苦笑してしまったのであった。
:もう誰にも優しくされたくない・・・だから誰でも良いから私を封印してよ・・・。
はただ自分が天女であることだけに内心で苦笑をするしかなかったのであった。
の叫んだ言葉を殺生丸が聞いていたなどその時の本人は知るよしもなかったのであったから・・・。
殺生丸:少しやせたな・・・。
がからもそして殺生丸から多少離れていた頃、殺生丸はの匂いに気づきの前に現れたのであった。
そんな殺生丸の言葉にはただ苦笑をし「変わらないわね・・・。」と呟いたのであった。
殺生丸:もうこの殺生丸には頼ろうとはしないのだな・・・。
その言葉には微かに殺生丸の顔を見つめ「まさか・・・聞いてたの?」と問い返したのであった。
無論殺生丸はその言葉に即答をしたのであった。ただはそんな殺生丸の表情に安心しきっていたのだから・・・。
:じゃぁ・・・殺生丸に頼もうかな・・・お願い、私を封じて・・・。
その言葉だけが殺生丸の耳に届いただけであった。は何故かその決意を変えることはなかった。
ただけじめであろうかはただこの地に訪れてからの思い出を脳裏に蘇っていたのはいうまでもないことであった。
殺生丸:好きにしろ・・・。
それが、が殺生丸に最後に頼み込んだ願い事・・・。そしてその話を密かに黙って聞いていた犬夜叉はただ苦笑していた。
今までは誰にももう頼ることなく生きていたことを内心で悟ってしまったからである。
:でも犬夜叉のおかげかな・・・最後に私らしい私に戻れた・・・。
風がの髪をもてあそぶ・・・そして犬夜叉の前ではただ本当の笑顔を見せていたのであった。
そんなに犬夜叉はただ何も告げられずにいた。正直自分自身も救われたような気がしたから・・・。
犬夜叉:俺、のこと一生忘れねぇ〜
その言葉にはただ「有り難う」と苦笑をしたのであった。
ただはその一言を犬夜叉に告げるなりその場を去っていったのであった。
その日は満月、そして約束の日でもあった。ただは苦笑した・・・。
犬夜叉とのいる時間が自分にとっては何よりも幸せな時間に感じられたことなのだから・・・。
殺生丸:いいのか?
はただ「えぇ・・・」と告げながら御神木に手を触れる・・・未来で、犬夜叉が封印される木に触れながら・・・。
この場所に眠ることを決めたのは自分の意思、そして未来を知った上で覚悟を決めた上で此処にしたのだから・・・。
:ねぇ・・・殺、私変われるかな・・・いつか目覚めた時は・・・。
殺生丸の手は既にの血で染まっていた。ただは自分の腹部から流れる血を気にせずに殺生丸の顔を見つめる。
こうなることを望んだのは他ならぬ自分自身であることを理解していたから・・・。
:でも・・・殺は私に優しい言葉何てもうかけてくれないよね・・・。
それだけいうとはただその場で眠りについた・・・ただ御神木はの血に反応したのかの体をおおい隠していた。
その光景を犬夜叉はただ遠くで見つめていた・・・何もできない自分に歯がゆさを感じながらである。
ただその時その三人を優しい風が吹き荒れていたのはいうまでもないことであった・・・。
〜 Bonus Histry 〜
かごめ:犬夜叉どうしたの御神木を見つめて・・・。
奈落を追う旅をしながら時折かえでの村に息抜きに戻ってくる犬夜叉達はただ犬夜叉の態度に疑問を感じた。
いつもと違う犬夜叉の態度にそしてただずっと御神木を見つめ続けているのに・・・。
犬夜叉:桔梗と出会う前、俺はある妖怪に出会ったんだ・・・。
その言葉にかごめはただ「それで・・・」とだけ冷静に呟いたのであった。
その言葉に犬夜叉は苦笑をしながらもただ語りだした。
犬夜叉:結局はこの木に殺生丸の手によって封印されちまったがな・・・。
:あの後、黒狐の妖怪、との契約は断ち切れて目覚めてもいいのに・・・は目覚めなかった。
かごめの表情を見つめながら犬夜叉はただ何かを吹っ切れるようにして微笑んだ。
それから「はただこれでよかったのかも知れない・・・。」とだけ・・・。
犬夜叉:その呪いはを殺すことで出来た・・・。の天女の命を守りきることは出来た。
:けれど・・・は帰ってこなかった・・・。俺はただそれが悔しいだけなのかも知れない。
そんな犬夜叉の様子にかごめはただ「またいつか出会えるかも知れないよ犬夜叉」とだけ呟いた。
犬夜叉はただ内心では最初の初恋はだったのかも知れないと考え始めていた。
それでも犬夜叉はただ御神木を見つめながら「過去は過去っか・・・」と呟いていたのでいった。
〜 Fin 〜
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Music Box/FINAL STAGE by:secret place |