:殺生丸様、Trick or treat
その言葉が私にとって不幸か幸か、全てはその言葉が始まりであった。
私の言葉に殺生丸はただ私を見つめ分からないという表情をするだけであった。
殺生丸:、何を言っているのだ?
は時折、かごめと同じ現代に戻ることが多い、無論同じ中学校で受験生なのだから仕方のないことである。
にも関わらず、戦国時代に戻って来れば犬夜叉一行と同行するでもなく殺生丸の元に即来るのだ。
:あ、そっかまだこの時代じゃ知らないか・・・。
何故、が戦国時代に行き来できるのか、もかごめと同じ神社の娘である。
けれど、一つだけ違う事はの一族が代々妖怪の祖先であることだけ・・・。
現代では妖怪として表で生きるのは難しいので、達は人間達と共存しながら生活をしていった。
無論、望めばは此方の戦国時代に居座ることも可能なのだが、無論妖力が強くなければそうそう此処へは来れない。
:えっと・・・お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうぞって意味・・・。
は殺生丸がその言葉に微かに微笑んだのに気づきもせず、ハロウィンの事について説明していったのである。
無論、の説明に殺生丸だけではなく邪見やりんも興味を示したのか近づいて来たのであった。
Trick or treat
りん:お姉ちゃんの時代って本当に面白いことばかりだね・・・。
りんの言葉には、「そうね・・・。」と頷くだけしか出来なかった。
とりんの会話を聞きながらわずかに邪見はただ殺生丸の表情を伺っていたのはいうまでもなく・・・。
りん:じゃ、お姉ちゃん、Trick or treat
先程、殺生丸に告げた言葉をりんはへと告げたのであった。
そんなりんの言葉には微笑み、その場でポケットに入っていた飴玉をりんに差し出したのであった。
りん:何だ・・お菓子持ってたんだ・・・。
りんの言葉には微かに苦笑をし、そしてがりんに「Trick or treat」と告げたのであった。
けれどりんは「お菓子持ってないよ・・・。」という言葉を聞くなりはりんをくすぐったのであった。
りん:くすぐったいよぉ〜
満面の笑顔に、くすぐりに耐えるりんを見ては笑ったのであった。
そんなりんとの様子を見つめながら、いまだ殺生丸はの表情を見つめ続けただけなのであったが・・・。
:あ、殺生丸様、先程の言葉のご返事・・・。
は微かに殺生丸の表情を見つめ一歩後ずさったのであった。
のその表情と行動に殺生丸は微かに微笑み、を呼んだのであった。
殺生丸:・・・何故、逃げる・・・。
殺生丸のその言葉には冷や汗を垂らしながら僅かに身の危険を感じたのはいうまでもない事であった。
そんなの考えに察しがついているのか、いまだ殺生丸はの眼差しからそらすことすらしない。
りん:邪見様、りん・・・お腹空いたから食べ物取りに行こう・・・。
その言葉には益々表情が真っ青になったのはいうまでもないことであった。
そんなりんの言葉に邪見はただ殺生丸の表情を見つめ溜め息を吐き「仕方ない・・・。」と告げその場を離れていった。
:えっと・・・すっごい私今・・・囚われの身?
はただ小声でそう呟いていた。その言葉に殺生丸は益々面白いと感じ微笑んだ。
それから殺生丸との距離は差ほど変わらなくなってしまったのであった。
殺生丸:・・・。
殺生丸に名前を呼ばれ、は立ち止まり殺生丸の表情を見つめたのであった。
明らかににとって今の殺生丸の表情が自身にとっては余りにも心臓に悪い状況であった。
殺生丸:、Trick or treat
その言葉には背筋に寒気が走ったのであった。先程、りんに差し上げたお菓子でないからである。
無論、殺生丸のその言葉には殺生丸から顔を背けどうしようという状態になってしまったのであった。
:えっと・・・殺生丸様、私お菓子今、さっきのりんちゃんにあげたのでないんですけれど・・・。
の言葉に殺生丸は微かに微笑んだのであった。
無論、その表情はにとっては益々嫌な予感を的中させることになるのだが・・・。
殺生丸:お菓子なら目の前にあるのだがな・・・。
嫌な予感的中、はその場で微かに笑い殺生丸の顔を見つめるしかなかったのであった。
そんなの感情に気づいたのか気づかないのか、殺生丸はに口付けをしたのであった。
:あ・・・あの、私お菓子じゃないんだけど・・・。
その言葉は殺生丸には問答無用であった。無論、これまで我慢していたのがありえない程であったのだが・・・。
殺生丸の行為に甘んじて受け入れてしまったはただ溜め息を吐きながら疲労で疲れていたのであった。
無論、その隣には何故か気分が良いのか殺生丸の表情は晴れ晴れとしていたのはいうまでもないことであった。
はただ溜め息を吐き、ふと思い出したことを殺生丸の表情を見つめ語った。
:殺生丸様、先程私のTrick or treatを無視しましたよね・・・。
:ついでにお菓子持ってないですよね・・・あれ程私に抱き当ってたのは好日ですよね・・・。
の表情は何処か楽しげで、殺生丸はそんなの表情を見つめながら「だから、なんだ・・・。」と告げたのである。
その言葉には微笑み、そして殺生丸の表情を見つめ「犬になって下さい。」と告げたのであった。
無論、そのおねだりを殺生丸は無視しようと考えていたのだが、はそんな殺生丸の態度にはお構いなしであった。
のおねだりに弱いのか殺生丸は溜め息交じりに、仕方なく変化をしたのであった。
:やったぁ〜フワフワモコモコ・・・。
その言葉に殺生丸はただ溜め息を吐きながら、犬になった自分に抱きついてくるに微かに苦笑をしたのであった。
内心ではにとってこれはこれでありえるかも・・・・と思っていたことを誰も知らない。
〜 Fin 〜
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Music Box/G2-MIDI 三崎 新 by:Jack O' Lantern |