心の中で、いつも囚われ続けている彼女。彼女の手は彼の手で赤く血が染まっているのに・・・。
なのに彼女の瞳は殺戮を好んでいない。そして彼もまた彼女に微笑んでいる。そっと探し続けた存在を抱きしめるように・・・。
彼女の苦しみも痛みも、呪いは全てをむさぼり尽くす・・・。その存在を全てが悟る・・・ただそれが脳裏の全て・・・。
私の中に、存在する彼女はいつも同じ表情をする・・・悲哀にもにて願望にも似ている表情。
一人は自らに短剣に命を突き刺し投げ出す者・・・。
後悔とその存在を見つめる者・・・。私には分からない何かが交差する・・・。
第二章
:どういうこと・・・。
俺は気にくわなかった。の存在を俺は求めている・・・。なのには何も望んでいない。
そんな表情は日々の中で分かり切っている。そして俺はペガサスとの決闘の事実をは知らない・・・。
瀬人:っふ、貴様には関係ない・・・それとも何か・・・。
腹立たしい。何もかもが、俺の思い通りにならない・・・。の存在は俺を心から必要としない。
だが、俺は明らかに、必要な存在な感じをさせる。求めている者が側にいるということさえも・・・。
苦しい、どうして瀬人はいつもこうなのだろう・・・。そしていつも夢の中の彼もいつもそうなのだろう・・・。
胸ぐらを捕まれている私、だけれども、後悔なんてしていない・・・。
ペガサスから託された一枚のカード・・・。貴方が必要ならば、私には拒まずにそのカードを渡す気持ちはある。
でもそれ以前に何かを求める心が私の中には存在するのだから・・・。本当の意味で・・・。
瀬人:そのカードを渡す事は出来ないっとでもいうのか・・・・・・。
その言葉に私は弱い・・・。ただ壁際、この部屋には私と瀬人しかいない・・・。
瀬人からの口付けは、私の脳裏にいつも存在する夢を忘れさせてくれる・・・それが真実であるのだから・・・。
瀬人の微かな微笑みは、何故だか夢の彼に似ているような、そんな感じを私自身は漂わせ感じてしまう。
:拒んでる訳じゃない・・・。
強い眼差しは好き、けれども願望の眼差しは嫌い・・・。
そして私の心そのものは、全てを拒み続けている・・・。何もかも・・・その関係を・・・。
瀬人:っふ、いいだろう・・・遊戯との決着までまだ時間はある・・・暫く付き合って貰うぞ・・・。
:いや・・・。私だって・・・私は・・・
瀬人の微笑みは耐えない・・・。今の瀬人は何故か変わってしまった。
あの時以来から、そしてなにより瀬人との再会もイギリス以来なのだから・・・。
瀬人:ならば、に問おうか・・・俺とお前の立場は何だ・・・剛三郎の因果が途切れて関係ないと思ったか・・・。
私の言葉は口づけで遮られる。語る事を、まるで瀬人が拒絶しているようで・・・。
そして今の私には、瀬人に抵抗出来はしないと認めてしまう・・・。
真奈美:貴方の義理の父親何て、関係ない・・・。それに私は貴方を認めて何て・・・っあ・・・。
その囁きは、私にとっては苦渋の選択だった。剛三郎の因果は途切れても、何故か惹かれてしまう。
瀬人の言葉には、私自身が弱いから・・・何も出来ない存在だから・・。微かな雫が私の瞳から漏れる・・・。
瀬人:ただのクラスメートっか・・・。貴様がそう思うが婚約を俺は破棄せぬ・・・。
その真剣な眼差しを、私は忘れるはずなんて出来ない・・・。今も貴方を必要としているから・・・。
壁際から突き放される・・・その衝撃は、別に対して関係ない・・・。ただ心が痛んだ・・・。
:貴方は夢の彼に似てる。貴方は何を欲してるの・・・。
何度同じ言葉を私は口にするのだろう・・・。愚かだ・・・何も真実も告げられなくて・・・。
瀬人の手に私は引きずられる。ただ変わったのは私だ・・・。イギリスにいた頃と全く違う私に・・・。
携帯電話の着信がなる。私はふと我に返る・・・その電話の主は杏子・・・。
けれども、杏子からの電話に出ることを私は拒んでいる。なのに・・・いつも貴方は・・・。
瀬人:悪いが、とは今この俺が、用がある・・・かけ直しは後で此方からする。
杏子:海馬君?何での・・・。
電話は切られてしまう・・・。辺り前のような感じで・・・瀬人は私の携帯の電源を切る・・・。
けれども、途方に暮れていた。杏子からの声を私は望んでいたのかも知れない。
瀬人:っふ拉致があかない・・・。貴様がカードを渡す気がないなら暫く俺の側にいて貰う・・・。
:どの道そうなるだろうがな・・・。
なんで、私は拒むことを望まないのだろうか・・・。本当の意味で疑問があり続ける・・・そうして私の心の中では嘆き続けるのだから。
瀬人の瞳の中で、私は微かな面影を、その頃の存在を脳裏に過ぎらせる。
それは、淡くも切ない恋の物語。少女のかすれた記憶は全ての悲劇の始まり・・・。
そして少女自身が望んではいない結果。双璧竜が全てを誘っていた・・・。
思い通りの結果にならない・・・腹立たしい・・・。
その結果が今に値する。車の後部座席で、無言が続く・・・途方もなく彼奴は窓を見つめ続けている。
「おや、瀬人君だったのかね・・・のお客とは・・・」
相変わらずの性格だった。はその場ではなにもなかったような表情を見せる・・・。
が決闘者を引退したなど俺は信じられずにいた。現にカードを見つめる彼奴は幸せそうな表情をしているからだ。
瀬人:いつもすみません・・・所でさんを海馬邸に宿泊させても構わないでしょうか・・・。
「まぁ、私は別に構わないが・・・何しろ表場は許嫁だしな・・・君の頼みなっては・・・」
雑魚が、今必要な物をが所持しているからだ。俺は女などに興味はない・・・。
だが、に惹かれているのもまた真実なのだがな・・・。っふ表では許嫁っか、それも良かろう・・・。
剛三郎の因果が途切れても、俺にとってもコンツェルにも良い了見だった。
お互いの経営をさらなる経済アップをさせる為、経営者なりの考えでも構わないと思った。だが・・・。
:初めまして、貴方が瀬人ね・・・私は・・・。
出会ったのは、中学の頃だ・・・剛三郎が死んだ後も、死ぬ前もその娘との謁見などしていない。
なのに、あるパーティーが偶然だった。彼奴は、笑っていた・・・。
瀬人:どうして俺だと・・・。
:分かるわ私には・・・っね。また明日に・・・。
は礼をするなりこう告げた「貴方に月の恩寵と夜の加護が与えられんことを・・・。」。
そして俺と同じ中学であった事もその時期にしった。なにより、隣のクラスだとは知らずにいたのだ・・・。
だが、彼奴はほんの三ヶ月で童実野町からいなくなった。イギリスでのしばしの父親の取引で付き添いをしていたのだ。
その後、俺がからの手紙で分かったことは、父親の弟が副社長の経営を行っていたこと・・・。
だが、その弟はなくなり、帝王学を全て知っていたのは、娘ぐらいだった。
そして、多少早すぎたが、社長を次ぐ者として副社長をしていたこと・・・。
そして高校に入学する頃には父親は引退、そしては社長になるということだ・・・。
最初に出会った頃の言葉はいまだにその意味を俺は知らない。真奈美とも会話が出来ず・・・。
そしてその頃から疑問を抱いていた。の右手は、竜に纏われた白の印があることに・・・。
このような結果になったのも全て・・・運命なのだろうか・・・まるで皮肉だな・・・。本当の意味で・・・
:答えて下さい。貴方は何が望みなの・・・。
瀬人:っふ昔の用にはならないっか・・・。良いだろう、答えてやる・・・。
:貴様も素直になれば、ましな存在だろうがな・・・。
何故、青眼の光龍が欲しいのかを・・・瀬人は自らうち明けた・・・。私は瀬人の考えを受け入れられずにいた・・・。
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Music Box/FINAL STAGE by:月と水面の揺らめきと |