アスラン・ザラとラクス・クラインが婚約発表をした。
その話は話題になってしまって、私は何故かその話題には余り関わらないようにしていた。
逃げるようにして、幼馴染のアスランから側を離れて・・・正確にはプラント・・・。
私は、父の反対を押し切ってまでプラントを離れた。
歌姫の仕事も私なりに精神が混乱していてどうしても整理が付かなかった。
仕方なくて、涙が幾度となく出てしまって・・・気が付けば私はアスランが好きになっていた。
そう自覚した時にはもう後の祭りで、私はヘリオポリスに来ていた。
そして此処から物語は始まりを告げる。そう私はもう一人の幼馴染キラに出会ってしまったから・・・。
キラ:?君確かプラントに・・・。
キラの顔を見た時、正直安心感と不安になった。
これから先、この戦火でどう過ごしていくのか、私は正直手間取った。
軍に入るか、偽りの平和を好むか・・・。
私は今になって後悔している。本当の意味でどうしたら良いんだろう。
:お願い・・・何も言わないで・・・
ヘリオポリスに来てから中立であるこの国を少しずつ好きになっていった。
そうあの出来事が起こるまでは・・・私はどうしたら良いんだろう。
あの歌をもう聴けない。そう思うと俺の心は何処か居場所を探していた。
プラント内を流れるラクスの曲、けど俺が求める曲はこれじゃない。
アスラン:・・・何で君は・・・。
プラントを離れたという事は後ほど聞いたんだ。
理由は知らなかった。嫌、知るはずもないんだ・・・俺がを気づ付かせた。
誰ガ為ノ歌声 ――その旋律の先に臨む言葉――
ヘリオポリスの崩壊、その目撃をした時私は何処か偽りの平和に縋っていたのだと分かった。
キラは何処か悩んでいた。それは私も同じだった・・・理由はアスランで、再開は必然だった。
「ハロー元気か?お前・・・・」
私の心を何故か悟っていたのかハロはそんな言葉を私にくれる。
私は何故か、その会話に微笑む事しか出来なくて・・・今の私は本当に駄目だと思った。
そう捨てたんだ・・・私は歌姫をラーナスの苗字を・・・父に迷惑をかけない為に・・・。
戦火の中でキラはストライクとの戦いをしていて、私は結局アークエンジェルにいた。
私は小さな光が伴うこの闇空を見つめながら、途方にくれていたのだから・・・。
本当に如何したら良いんだろう。ハロはずっと私の周りを飛び回っている。
昔、キラとアスランが二人で作ってくれた物だった。
今はラクスもそれを持っていて、確かアスランが作ったって聞いた。
そうこのハロは私が先にプラントに戻る頃に二人が苦労しながら作ってくれた物だった。
私は歌にする以外に何か平和を願う事があるのだろうか・・・全てが分からなかった。
それでもまだアスランの事が忘れられずにいた。
正しく言えばこの思いを思い出された。そうラクスがアークエンジェルに訪れたからだった。
ラクス:あらあら・・・・・・。
私は一瞬驚いた。プラントにいるはずの貴方が、この場所にいるのだから・・・。
それからはずっと忙しくて、私がコーディネーターである事を忘れていた。
それでも何処か寂しさがあって悩んでいた。
そうラクスとアスランとの婚約発表以来、私は会ってなかったから・・・
思い出を無くすのは時として残酷で 忘れられず僕は悲しみにぬれる
今を生きる僕達は 何を望み何を願う
大切な人守る為 その心を鋼に変え僕はまた剣を持つ
産まれた意味僕は知らない 赤子のように未だ嘆き続ける
その先に何があるの 今を考えるのは過去の愚かさなのに
過去の過ちを償うすべ見つけづ 忘れられた大切な平和は偽りにしか過ぎない
だから僕は守りたいんだ 今を生きる為の
:その思いを見つけられず・・・
私は闇空を見ながらその歌を歌った。
過去、私がヘリオポリスに行く前に平和を願ってその歌をプラントに響かせた。
もうその歌は誰に聞き届くはずはないのに・・・・。
それでも歌わずには居られない。守られてばかりの自分が悔しいから・・。
「ハロー・・・おこるでぇ〜」
私はハロを見ながら溜め息が漏れていた。
それなのに、何でだろう。心が落ち着かないのに・・・。
ラクス:こんばんわ・・。こんな所にいたんですか?
不思議と涙がこぼれていた。その涙を見せる訳にはいかなくて・・・。
それは私が強いだけであって、ラクスの前で迷惑をかけないようにと思った。
:ラクス、どうしたんですか?って確か部屋・・・。はぁ〜そう言う事か・・
「おこるでぇ〜」
ラクスのピンクのハロには私のように通話機能はついていない。
私のハロは元々あらゆる技術を詰め込んでしまっていて、ピンクのハロはロックを外す事も可能だ。
それは私のハロにも出来るのだけれども、余りその機能を使おうと思った事はない。
だって、その機能を使う事が余りにもなかったから・・・正直、それが現実。
:余り艦内を行動していると怪しまれますよ?
:それにラクスは友達でも、今はこの艦内では一応は・・・。
そうアスランの婚約者と簡単に言えば楽だった。
でもアスランの名前を言葉に出来なくて、それ以上に悲しみにぬれていて・・・。
ラクスにこんな気持ち悟られたくなくて、途方にくれていた。
なのに、ラクスは私の事をどう思っているのか分からなくて・・・。
ラクス:何も知らないのですか?・・・。私は・・いえ何でもないですわ・・・。
その微笑に私は考え込む。ハロはラクスの後ろを飛び回っている。
それにしても、先程の言葉は何だったのだろうか?疑問を呼んでしまう・・・。
:ほぇ?ってそれよりハロ使った以上何かあるのでしょ?用件は・・・。
私は完璧馬鹿だ。自分の気持ちを隠そうとして全ての気持ちをすりかえる。
偽りの気持ちでなければやっていけないから・・・そう思うから・・・。
ラクス:私とだけでもと・・・キラ様が・・・。
その言葉に戸惑った。私は友達を見捨てる事何て出来ない。
なのに私にプラントに戻れと、この場所にいるみんなをキラに任せてくれと・・・。
:私・・私は・・皆を無視する何て出来る訳・・・。
ラクスが私の側に近づいて来て、私にそっと微笑んだ。
私は今にも泣きそうだった。頭の中で何を考えれば良いのか分からなくて・・・。
ラクス:知っています。ですが貴方は此処で何か出来ますか?
:今出来る事を考えられますか?
結局、私は弱い人間だ。自分に何も出来なくて、泣いてしまって・・・。
それでも私は生きている。この戦火で偽りの平和を望んだ事を間違わずにすむように・・・。
不思議と私は涙が出た。今の私は無力過ぎて何も出来ない。
無力な子供でしかないのかも知れない。それでも平和を望む事しか出来ない。
:ラクス・・私、分からない。自分で何を知れば良いのか・・・本当にどうして良いのか。
気が付けば、私はラクスに導かれてキラにも導かれてストライクに乗せられてた。
私はプラントに戻って何か出来るのだろうか、如何すれば良いのだろう。ずっと考えてた。
イージスに乗せられた時、何故かアスランの顔を見れずにいた。
自分はラクスにもアスランにも劣っているのだなと感じてしまうから・・・。
それから私はずっと悩んでた。ヴェザリウスにいても私は仕方なくてもう時期プラントに戻る。
でも私はどうしたら良いのかしら・・・悩んでしまう。本当の意味で・・・。
アスラン:・・・こんな所にいたのか?
私は何を考えているんだろう。気が付いたらアスランの腕の中でないていた。
どうしてそんな行動を取ったのか分からない。ただ勝手に身体が動いてしまった。
ラクスに咎められて、の所へ行けと言われた時正直迷った。
俺はまだラクスとの間では婚約者同士のはずなのに、何処か違った。
ラクス:私は、が心配ですの・・・でも貴方しかの支えになれない事は分かりますわ・・。
そんな事をラクスに言われた時、俺はどちらが本当の気持ちなのか正直分からなくなった。
俺がこのまま幸せにしたい人間が誰なのだろうか?それ以上に俺はをどう思っている。
幼い頃はただの幼馴染として、妹としてでしか見ていなかった俺が・・・。
それでもに抱くこの感情は何だろうか。ラクスがアークエンジェルにいると知ったとき正直驚いた。
けれどそれ以上に、ラクスの側にいた人物を俺は知らなかった。
あの時、は迷わず俺に逃げてと伝えた。理由は分からなかった・・・。
それでもあの状況で俺を守る事を考えたのはだけだったのかも知れない。
プラントが見えてきていた。は父親の元に行くだろう。そのほうが安全だからと・・・。
アスラン:君とはもう時期お別れだな・・・・。
そう俺が告げたのは、の気持ちを抑えたかったからだ。
けれども、は俺の言葉をどう察したのだろうか・・・分からなかった。
:ごめん・・・今日の事、忘れて・・・。
戸惑っていた。がその行動に出た時、正直嬉しい反面悲しかった。
それでもは誰かを必要としていたのだろうか・・・全てが分からない。
あれから、プラントではずっと歌い続けていた。
の歌はラクスと同様に平和を願う歌であって、前の歌詞以上にその思いが響いていた。
そうプラント内の人々に、けどは何処かで無理をしているのではないだろうか。
そんな感情が心の何処かにあって、心は何処か途方にくれていた。
本当の意味で俺が、必要だったのはなのかも知れない。
それでも俺は、ラクスの婚約者という立場を捨てきれずにいるどうしてだろうか・・・。
アスラン:俺は・・・。
ラクス:アスラン、が好きなのでしょう・・ならば正直になっては如何かしら?
そんな言葉を言われたのはつい先日で、俺はどうして良いのか分からなかった。
はプラントに帰ってから、全てを忘れるように歌っている。ラクスからそう聞いたとき俺は驚いた。
がキラの事と俺を心配しているのだという事を・・・それでも俺は如何したら良い。
どうやって、俺はと会話をすれば良い。これから先どうしたら良い・・・そんな気持ちがあった。
だけど俺は、に対しては何も出来ないと思う。
は俺に何かをしようとかそんな事をしたのが多かった。その度に妹のように可愛がった。
ラクス:は小さな小鳥ですわね・・彼女の思いを受け入れて下さいな・・・。
:私は今のアスランもも同じように見えて仕方ありませんの。もっと正直になって下さいな。
ラクスはどうして相手の事を思っていられるのだろう。
そう私は何度も思った。アスランとの婚約は喜ばし事だと思った。
でも心の中では喜んでいない自分がいて・・・正直認めたくない思いでいっぱいだった。
でも現実から逃れられない。私は前へ向いて歩くしかないのかな・・・。
アスラン:・・。
:アスラン・・どうして・・。
プラントに戻ってから私はアスランが直ぐヴェザリウスに行く事を知っていた。
それなのに、何故此処にいるのだろう。私は何も分からなかった。
結局私は歌を歌うしか出来ないから、それでも何処かで人の愛情を探し求めていたのかも知れない。
なのに、私は何を望んでいるのだろうか・・・今だに分からなくて・・・。
アスラン:ラクスに言われてしまってね・・俺もずっと考えてた。
:はい?
意味が分からない。ラクスと何を語っていたというのだろうか。
私はその問いをアスランから聞けるとは思っていなくて、その言葉の意味を教えて欲しかった。
:ねぇ〜何を言って・・・・//
行き成り唇を奪われて、何が何なのか分からなくて・・・。
結局頭の中で考えられなくて、アスランの言葉を待ちわびてしまって・・・。
アスラン:ずっと好きだった。気づくのが遅かった、俺はを傷つけてばかりいた・・。
それでも私はまだアスランの側にいて、泣いていて・・・。
私、泣いている顔しか見せられないのかな・・でも私は誰かの為に歌うしか出来なくて・・・。
願ってるよ・・・その歌の先に平和がある事を・・・。それでも前へ進みたいから・・・。
:行ってらっしゃい・・・今度は・・・。
今度は貴方の為だけに歌い続けるよ、この歌を・・・。
でもそれは私の願い。今はこの戦火を止めたくて、平和を願いたくて、その為だけに歌うよ。
だから・・・ナチュラルもコーディネーターも関係ない世界が何時か来ると願って・・・。
|
Music Box/VAGRANCY ハロウィン限定素材 志方あきこ by:迷 夢 オルゴールVer. |