ALCHEMIST





何時ものように、何時も変わらぬ生活を彼女は過ごしていた・・・。
この世界では魔術と錬金術が使えた・・・けれども、彼女は魔術に対しては無頓着だった。

全く使えないという訳ではなく、ただ魔術を扱う事が苦手だった。
錬金術とは違い、魔術は自然の理をなす術として利用されていた・・・。

優れた者は彼女の周りにいて、ただ神官として国を動かしていた。
そんな中で彼女が苦手だったのが父の存在であった。何より魔術に無頓着である彼女にとっては・・・。

そして何よりこの国から信頼されている為か、父にとっての存在は王。
彼女にとっては何よりも苦手な存在があったからに違いない。そしてその存在が大きな存在である事も・・・。

彼女、にとっては父の存在は一番苦手な存在であり、国にとっては大切な方なのだから・・・。
そして彼女はそんな父と母の間に生まれたのだが、全てが全て苦手な存在だった。

:あぁ〜もぉ〜やってらんにゃぁ〜い・・・。

何時もは警備の兵から軽く逃げ出せるのだが、それ以上に今日は警備が厳しすぎるのだった。
それもそのはず、ここ三ヶ月前から国を背負う兄よりネイの方の監視が厳しいのだ。

は羽ペンを手に持ちながら書物の勉学を行っていた。
けれども毎日の事と感じながら、何時も勉学をする事が多いのだと簡単に思えば彼女は呆れている。

:あぁ〜もぉ〜本当に退屈・・・・。

そんな感情を抱きながらも勉学以外何もないのだが、彼女はずっと考え込んでいた。
三ヶ月前までは何一つ変わりがなかった生活を突然のように襲ってきた事。

まさか、一族に纏わる秘宝がネイに継承されてからはずっとこの状態なのだ。
溜め息交じりにずっとその秘宝を見つめる物の、彼女の身体以外が触れることは出来ず・・・。

:うぅ〜何が賢者の石よ・・・何が女神よ・・・もぉ〜

はあれからずっとこの部屋以外の出入りの監視が厳しすぎるのである。
退屈する理由も賢者の石と呼ばれる秘宝なのだが、彼女には退屈な品物であった。

:はぁ・・・時の王、紡ぎし汝らの契約をっか・・・。

がずっと退屈をしていた為だろうか彼女自身、魔術には無頓着なのだが・・・。
そしてその結果が、これからの彼女を物語っていようとは誰にも思わずにいた訳であった・・・。

その時にの手の甲から蝶の紋印のような陣が現れ、背中からは淡く金色に輝く白銀とも思える翼が現れた。
彼女は深い眠りに陥っていた為か、その発動を気にしておらずその場からはネイの姿は淡く消えてしまった。

「あの馬鹿者が・・・またやりおって・・・」

が去ってから数時間後だろうか、その場に現れた父親は溜め息を漏らしていた。
そしてが去った痕跡を神官達と共に見つめていたのだが・・・。

「はぁ〜もう少し話しておくべきであったか・・・。」

魔術に無頓着なを過保護に思うのは父親以外にも兄がいる訳だったが・・・。
その場の空気は既に時遅し、がいない事で後悔という感情がいるのだったが・・・。

「目覚めさせぬだろうとは思うが・・・もう少し語っておくばきであったか・・・。」

未だに溜め息が漏れ続けているのだが、そしてその場の支持を残し父親は去っていった。
未だただ後悔をしていた父親だったが状況が災厄だった。

ただ賢者の石の存在がどの様な存在で、この国にとってはどの様な大切な物なのかも知らずにいた。
そしての監視が厳しくなった理由は全て三ヶ月前にあるのだったが・・・。

そして物語はそこから始まりを告げていた・・・・・・・・・。


遙かな時空の中で


:っで・・・ここ何処・・・

東方司令部、司令室。そこから物語は始まりを告げた・・・。
司令室に居たのは、鋼の錬金術師と呼ばれているエドワードと、軍の地位は大佐の焔の錬金術師、ロイであった。

互いに状況が分からずにいるのは数秒前、何一つ変わらない日常に異変は起こってしまったのだった。
そこには顔見知りだが、互いに初対面だろうと思える程の状況であった。

その日、ロイ・マスタングは司令室で仕事に大忙しだった。
そんな中で腐れ縁とも思える知人、親友とも思えるマース・ヒューズからの電話を聴いている。

ロイ:ヒューズ・・・私は忙しいのだが・・・。

機嫌が悪いのだろうか、受話器を握る手には怒りが込み上げているのが当たりを漂っていた。
そんな中で何一つ変わらない会話が、ヒューズの電話であって何かしろ、妻、娘の自慢話をしているのである。

そしてもう一人ここに訪れる人物が切っ掛けにより始まりを告げるのだった。
それは扉を叩くことすらしない人物であって、何時ものようにロイに報告書を届けるだけだったようなのだが・・・。

エドワード:大佐・・・報告・・・っへ!?

エドワードはロイを見るより先にソファーに眠っているを見つめていた。
そんな様子が分かったのか、ロイもエドワード同様にソファーを見つめて驚いている。

ヒューズ:ロイ・・・どうかしたかぁ〜

呑気な声を漏らしているのは親友のヒューズであって、その場には電話の事など気にしていないようだった。
ロイとエドワードは互いにを見詰め合っている・・・そんな沈黙が続く中・・・。

エドワード:大佐・・・何やってるんだ・・・。

電話のことを忘れているのはロイの方であり、ただその場の空気はどんよりとしていたのだった。
ロイは一度電話を切り、エドワードと共にソファーを見つめるのだが・・・。

ロイ:いや・・・鋼の私も存じてないのだが・・・。

そんな中で意識を取り戻したのだろうか、の瞳は二人を見つめている。
そしてそんなを見つめているロイとエドワードも、叫ぶ以上に沈黙が流れてるのだが・・・。

ネイ:っへ・・・兄様!?何でここに・・・

そんな中ではエドワードに釘付けだった。は余り気にしている様子はなく、ただ見つめているだけである。
そして周りを見つめるのだが、はその場所が余りにも知らないので瞳を紛らしているのだが・・・。

ロイ:鋼の・・・君に妹がいるなど聞いてないが・・・。

そう言いながら先程から無頓着なは、この状況が飲み込めず結局は気づいたのにも時間がかかっているのだが・・・。
そしてエドワードはロイの言葉に敏感だったのか反抗を行っている。

エドワード:いねぇ〜よ・・・だいたい俺はお前の兄じゃねぇ〜し////

どうやらやはりを気にしているようなのだが、否定だけはしているようだ。
エドワードには弟のアルフォンスだけしかいないのだが、そんな中での行き成り兄と呼ぶが現れたのだ。

:あのぉ〜ひょっとして、私・・・またやっちゃった訳・・・ν

何を思ったのかの顔が真っ青になりだしている事に気づいたのか・・・。
二人はその表情を心配するのだが、は焦っている。何時の間にか魔術を使ってしまった訳なのだから・・・。

:わぁ〜〜〜

そんな時に円形型のスフィアが何かの映像を出したらしく、は青ざめている。
そして何を伝えて良いのか分からずじまいであったのか、は冷静に考える事が出来なくなっていた。

「この馬鹿者がぁ〜〜〜〜〜!」

:ごめんにゃしゃぁ〜い・・・・・お父様・・・。

ロイとエドワードはその場に取り残されてしまっているのだが、父親らしいと判断していた。
そして未だに青ざめているのであろうか、父を見つめるはおびえていた。

「時の王の力を借りるとは・・・この馬鹿者・・・契約のおかげで戻れなくなってるぞ・・・。」

は本当に焦っている。魔術に無頓着な性格だった為か時の王の契約解除が分からないでいるのだ。
叫び続けているをロイとエドワードは見つめているのだが、それ以上に状況が状況で飲み込めず・・・。

「契約はお前だぞ・・・馬鹿者・・・賢者の石を破棄する以外戻れないぞ・・・。」

賢者の石はの身体以外は拒絶を起こす為か、破棄をするという事は命を捨てる事にもなる訳だが・・・
そしてその場の状況は親子でしか飲み込めず・・・・・・。

:うぅ〜

戻れないという言葉を悟ったのだろうか、は益々真っ青になり続けているのだが・・・。
エドワードは賢者の石の言葉を聴いたのか考え込んでしまっている。

ロイ:鋼の・・・関わってはならない状況に思えるのだが・・・。

ロイは何故か、の着衣を見つつエドワードに助力を求めているのだが・・・。
それでも何一つ変わらない状況であって、その場の空気は当たりを覆う。

「はぁ〜ともかく神獣を時の王と契約を結んで送る・・・覚悟を決めろ、馬鹿者が・・・。」

どうやらその会話が終わったのだろうか、は青ざめた状態がずっと続いているのだた。
それは説教をされた所為なのだろうか。それだけにはないように思えるのは気のせいなのだろうか・・・。

ロイ:やぁ〜レディー、名を教えてくれるかい・・・

先程の説教と良いは、ロイとエドワードを見つめ続けている。
そんな中での異様な空気に何一つ語る事など出来るはずがないのだが・・・・。

:私の名ですか・・・だって語る・・・あっそっか・・・。

は何か思い出したのか、何もなかったように普通にし始めた。
何よりそんな事がどうすれば良いのかは判断がつかず、契約の破棄も出来ない仕方がなく・・・。

:私の名は、・・・・エルリックです。

そう話すと苗字を聞いてエドワードも驚きをするのだが、やはり先程の会話からは何も分からず・・・。
溜め息交じりのに説明をされて貰うしかないと思ったからだった。

エドワード:あっあのさ・・・説明して貰えないかな?

先程から妙な違和感を覚えているのか、先程からの言葉で賢者の石という言葉が出てきた事も気がかりだった。
は微笑んでいた。そして何を話すのかと思えば先程の会話と似たような存在だった。

は此処とは異なる世界に元々は住んでいたのだが、その世界には魔術と錬金術があるらしい。
そんな中で魔術はにとって無頓着だったのだが、三ヶ月前から継承された一族の秘宝のせいなのかは定かではない。

けれども賢者の石を扱う事ははまだ知らないらしい、時々魔術が発動してしまう所為なのだろうか。
此処まで来たのは時の王と契約を結んでしまったという事だった。

エドワード:っで・・・賢者の石、持ってるんだよな・・・。

エドワードが冷静になり出したのか、賢者の石に関して聞いてきたのだった。
元々ネイの身体に同化をしているせいで、それがどんな存在なのかも知らないのだった。

:うぅ〜持ってるけど、私・・・三ヶ月前に父親から言われただけで・・・。

ただは賢者の石に関する己の世界の伝説については語りだした。
その伝説は過去にもあったらしく、薄れている伝説らしい。

:むしろ・・・契約のおかげで戻れないのがなぁ〜はぁ〜

今もずっとは溜め息が漏れているのだが、寂しいよりむしろにとっては反省すべきことだった。
魔術に関する勉学をもう少し行っておくべきであったと後悔していたのだった。

ロイ:鋼の・・・良く理解は出来るのだが信じられないのだが・・・。

確かにこの会話からも、はロイとエドワードを見ていても何も思わないらしく・・・。
それ以上に二人の喧嘩が何時もの事なのを承諾済みのような感じだった。

:っで・・・こっちの世界でも兄様とロイは喧嘩している訳なんですか・・・はぁ〜

この世界に来ても二人の性格は結局変わらないらしく・・・。
それ以上にの側に来て、ロイは自分の名をしったのか驚いたらしく・・・。

ロイ:待て待て、名を伝えていないのに何故知ってるんだ・・・。

ロイは至って冷静なようだが、何故かの考えている事は分からないらしく・・・。
結局、全ての状況を知るが説明をするしかないのだった。

:だって私の世界にも居るし・・・ロイとエドワード・・・。

そう伝えると何故か思いだしたのか、は溜め息をついている。
既に城では喧嘩をする神官がいるという噂が耐えておらず、おまけにその噂が民にまで広がっているのだから・・・

ロイ:それがどの様な関係にあると・・・。

状況をつかめないないのか、ロイはまだ詳しい説明が知りたいようだった。
ネイはまだ語らないといけないのかと溜め息が漏れている。

:妹を獲られるとか、兄になるのが気に食わないとか・・・。

何時もの事ながら喧嘩を続ける二人の光景を思い出している。
酷い時は焔の魔術か錬金術・・・それに対抗する兄、仕方がなくが水を浴びせるのだが・・・。

エドワード:はい!?

嫌な顔を見つめているのか、エドワードは何故か状況が状況らしく考えが纏まらず・・・。
それ以上にこの二人からして見ると分からない空間らしい。

ロイ:私はそんな醜い争いはしないが・・・。

ロイは以外と冷静なのだが、雨の日は無能ということが本当あのだが・・・。
かといって仕事もしないのがロイの性格上の事、故にこの世界でもの世界でもそうなのだが・・・。

:でも現にしてるし、私の世界では・・・。

この二人は瓜二つなのだが語るとなると恥ずかしい部分もあり、何故か語る気持ちも気持ちな訳で・・・・。
エドワードは未だに飲み込めずにいて、しまいには・・・・

エドワード:所で、どんな関係、大佐と・・・。

この三角関係が分かっておらず結局は、張本人に聞くしか方法がないと思ったのだった。
けれどもその会話がエドワードにとっては驚くしか方法はなく・・・・。

:婚約者・・・父親が決めた・・・。それと多分、歳違うかもね・・・。

がロイに人差し指を刺しエドワードに説明している。
ロイもその事実を聞くが、驚くしか方法はなくただエドワードは呆れ始め・・・。

エドワード:んなことどうでも良いぃ〜

どうやらその現実を受け入れられないらしく結局は説明しなくても良いと思われ始めていた。
そんな様子には未だに呑気なのだろうか、さらなる言葉を継げるのだが・・・。

:兄様も何時もそうだけど・・・でも案外仲良いじゃん・・・。

どうやら、ロイは興味を持ったらしくを見つめ続けている。
そしてその世界の事を知りたくなったのか、語りだした。

ロイ:君の世界での私は今幾つなのだね?

一番に疑問に思った事は自分の存在らしい。
この状況でも溜め息が漏れ続けているのだろうが、は何も思わないらしい。

エドワード:嫌・・・それもどうでも良い・・・。

は自分がどの様な状態なのかは分からず、結局は喧嘩をしている事に限りない。
そして何より、この状態が馬鹿馬鹿しく思えているのはエドワードであって・・・。

:え?ロイの・・・29歳だけど・・・。

は何も思わないらしい。そして何時も変わらない接触方法で語ってきた。
最もネイは自分の世界で、幼い頃からロイを知っていた訳で恋愛感情などないらしく。

ロイ:っで君は・・・。

その興味をもったらしく、未だに語ろうと思っている。
は溜め息をつくのだが、この世界では語るしか方法がないのだろうと思っているのだが・・・。

:はぁ〜24歳だけど・・・。

それはあえて自己紹介としてだけであって、何より既に語るのは定番になっているそうだ。
そして既に何もなかったように語るしかないだろう。けれども、突っ込みを入れるしかこの場はなく。

エドワード:どんな家族構成だよ・・・ν

エドワードは青筋を立てずっと、その場を見つめている。
何より、ロイとエドワードの関係をはただ面白がっているとしか良いようがなく。

ネイ:そりゃぁ〜神官だしなぁ〜血族は王族でも・・・ロイは・・・。

ロイはあちらの王族関係を思い出したのか、何故か妙に思い出を語りだそうとしている。
けれどもロイとエドワードには分かるはずもないのだが・・・。

ロイ:つまり君の世界では、鋼のは王家という訳か・・・私も・・・。

何故か、この会話に納得をしている焔の錬金術師が此処にいるのであった。
そして何より、この納得度が早いと悟ってしまったのもまたであって・・・。

:うぅ〜それはそのぉ〜

は説明をするのが面倒らしく、既に語るのを躊躇いだしていた。
それ以上にエドワードが何故か、苛立っている様子が分かったらしく・・・・。

エドワード:んな事よりどうすんだよ!

先程から司令室が騒がしいのが、ホークアイ中尉などに築かれたらしく。
その場にいたロイの部下達も沈黙をしている。そしてアルフォンスが呼びにいった時は・・・。

アルフォンス:兄さんどうかし・・・っへ!?

その光景を見たのか、エドワードは弟を見つめていた。何故かこの状況を見つめるしかない。
弟は何をどの様な経緯でなってるのか意味不明だった。


Music Box/VAGRANCY By:innocent place

異世界スリップ小説、連載スタートさせて頂きました。
いやぁ〜悩みました。多少、オリジナルを含むか含まぬかで・・・

でも賢者の石に関係あるので、まぁ〜いっか・・・
そして何故か連続小説初、ロイ落ちです。今までエド書いてたからなぁ〜

さて今後どうなるか、皆様続きをお楽しみ下さい。

七瀬 ネイ