王の魂との因縁。ただ今その因縁が解き放たれる・・・。
3000年に渡る宿命と呼ぶにふさわしい運命を導きし者。
彼らはまだ知らないトライアングルの定めの導きを・・・。
人の宿命、それとも相応にふさわしい者を宿す者。
ただ古代エジプトから伝わる悲劇・・・。
運命を分かちあった物語の最後の結末が今、幕を開く・・・。
如何なる定めにあろうとも・・・。
光の中へ完結する物語 〜 海馬 瀬人 〜
遙か古代エジプト。その頃はただまだ幼すぎた面影・・・。
闇に囚われずにいた頃の幼き子供・・・セト、、アテム。
もアテムも兄妹・・・。だけど母親は違った例えアクナムカノン王の子供であろうと・・・。
王妃との間に産まれたアテム、神官との間に産まれた・・。
その真実は拒絶を意味し、表の世界をただ何も知らず育った。
セトとは仲が良く、アテムはマハードやマナと行動を行う方が多かった。
それはただ幼き日の失われた思い出。
記憶の世界では何もかもが我に返り全てを思い出させる・・・。
神官となり、アテムを支える。同様にセトも同じだ・・・。
アテムは王となり国を支える事を義務とされる。その頃は闇の存在を知らない・・・。
そうその頃はまだ何も思い出せずにいた・・・。
私、が何故、アテムに惹かれていたのか・・・そして瀬人に対する感情も・・・。
全てを思い出させてくれたのも記憶戦争・・・。
知らずにいた方が幸せだった。あの頃にはもう戻れない・・・。
現世での魂の再会。それが全ての始まりであり結末へと向かう・・・。
何故こんなにも友情を信じ合う彼らを頼ってしまうのだろう・・・。
瀬人とは何も語る事など出来ない感情・・・。
そう築いてしまった。記憶戦争で全てがこうなる事を・・・。
確かめたい事が俺にはあった。どんな結末をなそうが・・・。
青眼の白龍との関係。それをバクラから聞いた時には非科学的だと思っていた。
くだらん!俺には過去の存在など全て必要ない・・・。
例え敗北の未来だろうが勝利の未来だろうがな。だがこの虚しさはいったい何だ・・・。
記憶の世界。アテムが言う所のオカルトな世界・・・。
こんな場所には用はない。だがに似た面影の人物・・・。
そして青眼の白龍。全てがここから始まったとでも言うのか?
俺の中で何かが始まろうとしている。この結末を望んでいたのは俺自身なのか・・・。
今、戦いの儀が行われ初めた。アテムと遊戯、最終決闘。
その先にまつのは何なのだろうか?あの日以来から全てが狂い始めた。
私の思考に永遠に刻む3000年前の記憶・・。
その頃の感情。セトを愛していた。そしてそれは瀬人に対しても同じ気持ち・・・。
今、長きに渡る宿命が戦いの儀により終止符を打たれた・・・。
結果的にこうなる事を定めとしての事だったのだろうか?
未だに交差し続ける過去の記憶・・・。
俺は、あれからの様子に不安を抱いていた・・・。
確かに俺達は互いに愛し合っていた。両思いという事だろう・・・。
それ以前に剛三郎に最初会わされた時にはへの感情などなかった。
だが、次第に俺はに惹かれていた・・・。
たかが会社経営の為に子供であろうが利用する大人社会。
それが現実に過ぎない。現にの両親もそうとしか考えられない行動をしているからだ。
も俺も婚約者・・・。それは変わらない・・・。
だが、光の中へ完結するのだろうか・・俺がアテムへの引導があったのは・・・。
オカルト的な事など俺は断じて認めない・・・。
だが、現に紛れもない真実だ。記憶戦争での事がそうであるように・・・。
本当に3000年前、セトの事を愛していた。
だけど、本当に願いが叶うはずなどない。
だって私はセトを庇い命を落とした・・・。その記憶が今にも無惨に残る・・・。
ただ王権制度の崩壊が全ての始まり・・・・闇の世界の始まり。
ただ闇の大蛇神をアテムは自らの魂と共に、封印をした。
そして今にあたるのだろう・・。記憶戦争で全ての結末は終わった。
ただ冥界の神殿で本当の完結が幕を終える・・・。
今、アテムと遊戯はその場にいる。
場に召喚されている沈黙の魔術師のみ、もうアテムの場には・・・。
死者蘇生の魔法カードで蘇らせた天空の神、オシリスの天空竜。
けど、遊戯はそれを読んでいた封印の黄金櫃を開く、ただ死者蘇生の魔法カードを無効にする為に・・・。
アテムとの境界線。もうこれが遊戯とアテムの最・・・。
忘れない永遠にアテムと過ごした時間を・・・。
遊戯:サイレント・マジシャン、プレイヤーへの攻撃。
遊戯がいうままに、沈黙の魔術師は、攻撃を放つ・・・。
サイレント・バーニングを、アテムのライフは削られる・・・。
冥界に王の名を刻むと共に光の中へアテムは消えていった。
ただこれは物語の始まりに過ぎない・・・
結末としてトライアングルの終わりと始まりは結果的に迎えいれられる・・・。新たな刻みを迎えて・・・。
この虚しさは何なのだろうか?あれから本当に今までと変わらない生活が始まりを告げた。
それでもアテムが居ない事で何かが変わり得たのだろうか?
本当に何も知らない。変わらない高校生活・・・。
あの戦いの儀以来、瀬人とは会えなくなっている。
ただこのまま居なくなってしまいそうな気配に囚われながらの日々。
それでもあの傷跡は消えない。昔の古傷・・・。
童実野高校に通う日々、だけど本当の私は何処へ・・・。
ただ幾日も変わらない日々。瀬人の仕事の忙しさは知っている。だけど会いたい・・・。
アテムが居なくなってから私が縋っているのは瀬人・・・貴方だけ・・・。
けど私はもうここから居なくなってしまいそう・・・。
ただ本来居るべき場所が見あたらないから・・・。
俺は、仕事の日々での事など既に忘れ欠けていた。
彼奴は偶に電話をよこすが、その声は何処か寂しげで俺を心から心配させていた。
アテムが居ないからだろう。だがその嫉妬は俺の中でも永遠に繰り返されていた。
俺も全てが変わってしまったんだろう・・・。
あれからは海馬邸にも訪れる事はなくなった。いや俺自身、アメリカにいるからだろう・・・・。
は自らの家でどんな生活を送って居るんだろうか・・・。
もうあの頃には戻れないのだろうか・・・。
モクバ:兄様?
モクバも俺を心配に見つめる瞳は分かっている・・・。
言われてみれば俺は呆れていた。を日本においてきた事で・・・。
例え婚約者であろうが、を追いつめていた事に変わりはない。
いやそれを早く築くべきだったのだろう・・・。
彼奴の肩の古い傷は、昔、彼奴の両親に寄って痛め付けられた傷・・・。
そして剛三郎にも、だから彼奴にとって悔やみきれる心の傷。
どんなに背負わされる事だっただろう・・・。
瀬人:モクバ、アメリカでの仕事はかたがついた・・・。
モクバ:やっぱり姉様が心配なの・・・?
瀬人:あぁ〜一応、日本には帰る予定だ。
俺を求めているなら迎えに行くまでだ・・・。
本来、が居るべき場所へ・・・。
いつも両親は私を経営の為に利用しようとする・・・。
ただここに居るだけでも不安だった。やっぱり瀬人と着いていくべきだった。
だけど私は城之内達と離れるのが辛かった。
むしろアテムの影響でどれだけ友情の大切さが理解出来たか分からなかった。
主が居ないのに私は訪れてしまった。海馬邸・・・。
ただ道ばたに経たれ込むように、もう限界だった、私が忌み嫌った家で過ごす事に・・・。
:瀬人、早く帰ってきてよ・・・私は父様の道具じゃないんだから・・・
涙は不意に流れ落ちていく、それでも未だに両親からの暴力のような利用は逆らえない。
本当に後悔してしまった。アテムがいたころには感じられずにいた感覚。
空が曇り始め雨が降り始めた・・・。
ただ私の心に動揺するような一滴一滴の雫・・・。
瀬人と連絡を途絶えてあれから幾日経過をしたのだろうか・・・・。
俺が海馬邸に戻ってきた頃には雨が滴れていた・・・。
海馬邸になど待ち人はいない。だが不意はいつの間にか付かれていた。
リムジンが海馬邸で停止した時だった。
既に夜は遅かった。そんな時、照明の光で人影が見えた・・・。
雨の中で海馬邸の近くにいる事など到底予想がついた。
不意に俺は外に出る。雨の中をその人物の元へと近寄る・・・・。
モクバ:兄様・・・。
モクバは本当に心配そうに見つめていた。
こんなにもを苦しめていた事など理解出来ずにいたのだから・・・。
瀬人:・・・
は、数時間居たのだろうか・・・服は既に雨で濡れていた。
立ち上がると俺に抱きついてくる。俺はそっとそれを支えるしかできなかった。
:待ってた・・・貴方を・・・ずっと
瀬人:すまない・・・だがもうお前を離さない永遠に・・・・
酷くの体は以前よりもやせていた・・・。
両親から再び利用されていたのだろう・・・会社的な利用の為だけに・・・。
ただ泣き続けるを俺は見つめているしかなかった。
雨の中、その時が静かに流れる・・・。
瀬人:、今日から俺と共にいろ!何があっても守ってやる・・・。
そう俺は幼い頃に約束をしたを守ると・・・。
そして昔から俺達は愛し合っていた。そして婚約者・・・けして婚約など破棄しない・・・。
:ずっと貴方のおそばに居させて・・・。
ただその苦しみを分かち会えずにいた・・・。
悔しさと屈辱を胸に、ただ俺はの唇を奪う・・・。
雨の中でのキス・・・。その悲しみは何れ消えゆくだろう・・・。
何もせずともずっと俺の側をもう離さない・・・。
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Music Box/遠来未来-Enrai_Mirai- 逆凪 諒様 by:Knife |