聖地の祈り









第三節 夢の論理
 
 白い白い雪・・降り落ちる雪にじゃれ合う動物。
 9本の尻尾がはえた動物・・。

 狐・・けれど九尾狐・・。
 伝説のだけの存在・・この地では出会う事のない存在。
 茶色の瞳は大きく・・こちらに振り向く・・。
 
 「何だ。また来たの・・?」

 梅流に対してその九尾狐は会話をする・・。

 梅流:誰・・

 「俺?碧〔あお〕。」

 九尾狐は疑問に思いを寄せる・・。
 
 碧:なぁ〜お前の定めって何?

 梅流:定め?

 碧:そ・・定め?運命・・予めの歯車・・

 一瞬にして場面は寂しい感覚へと変わる・・。
 暗い暗黒の影を映し出す・・。

 そこに一匹の金色の淡い光。
 声に築くように金色の淡い光は顔を向ける・・。

 「クルル?クル・・」
  
 その鳴き声は可愛らしかった・・。

 碧:へぇ〜あいつが見えるんだ・・。
  :あいつが見える奴初めて・・。

 梅流:碧・・何あれ・・

 碧:精霊・・それ以外は知らない・・。触れろよ?

 「クル・・」

 金色の淡い光は梅流の触れた瞬間消えた。
 そこには2本の尻尾。額に角をもつそしてとがった耳の動物・・。

 碧:あんたが運命を決めるんだ・・俺はその歯車でしかない・・

 梅流:碧・・何・・?

 碧:月の精霊を目覚めさせる事が出来るのはあんただけ・・
  :目覚めろよ・・真実が待ってる・・。

 梅流:待って・・

 夢を見ていた梅流は未だに現実にいるなど知らない・・。
 扉を叩く音がする・・。

 「うなされてたけど大丈夫か?」

 藍色の髪に緑の瞳が鋭く感じられた。
 彼には微かな微笑みがある・・。

 梅流:羅威〔らい〕にぃ〜平気だよ!

 羅威とは彼の名。

 羅威:なら良いんだ・・まぁまだ夜中だし休めよ・・

 羅威は扉を閉めるとその場を去ってしまった。
 けれど朝方まで梅流は眠れずにいた・・。

 どんな事が始まるのか疑問を抱いて・・。
 歯車の定め・・未来は近い・・。
  

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