聖地の祈り









第四節 追憶の真実
 
 その日の真夜中は寒すぎた・・。
 星空が鮮やかに見える・・。

 沈黙を続ける赤い髪、緑の瞳の彼。
 彼の名は、蔵馬・・宿で仲間との再会。

 けれど仲間は彼を・・蔵馬を迎える事は心から願わず・・。
 全ては五年前・・その出来事さえなければ過去と同じ心で迎え会えた。

 五年前・・。
 ただ何者かの手により梅流の父を殺められた・・。

 それがいかなるどんな結末かは仲間しか知らない・・。
 梅流の父は梅流自信と蔵馬をかばい命を失った。

 それが野党であった事以外真実は知らない。
 梅流はその存在いや記憶を失っていた・・。

 知らない方が幸せな時がある・・。
 それが今の・・この時間帯がその時なのかも知れない・・。

 蔵馬の向かい側に座る者。
 ただ漆黒の髪が風に靡き月の色で輝きを増す・・。
 金の瞳は蔵馬の真なる顔を見つめる・・。彼の名は壊威〔かい〕。

 ろうそくの灯火が部屋を暗さから明るく照らす・・。
 真剣な2人の眼差し、沈黙は永遠に続く・・。

 壁に寄りかかる2人の彼女達も同じだった。
 彼女達の名は、譲刃〔ゆずりは〕と癒羅〔ゆら〕。

 何気ない頼み事・・重荷を背負う気持ち・・。
 人それぞれ・・そしてある依頼・・。

 壊威:蔵馬・・俺達が呼んだ理由を教える・・。

 その瞳からは親権であった・・。
 数分後、扉を叩く音・・。

 外には梅流の兄、羅威・・。

 蔵馬:仲間がそろった所で話そうじゃないか・・

 微かな微笑みは気持ちを安らぐ・・。

 羅威:事の始まりは一通の手紙・・。

 壊威:俺達はある依頼をその手紙で託された・・。理由は分からず・・。

 羅威:その手紙には運命の歯車と示されていた・・。
   :そしてある場所に来て欲しいと・・。

 蔵馬:依頼を受けるきか?

 壊威:あぁ〜それも何かの縁・・そしてお前にも同行して貰いたい・・。

 羅威はため息を着く・・そして・・。

 羅威:選択をするのはお前だ・・。

 壊威:命令をしてるわけじゃない・・だからな・・選択を待つ・・いつでもいい・・。

 座席から立ち上がりその場を仲間は去っていった。
 そして暗闇の中蔵馬は考え続ける・・。

 この先の選択の事を・・。 
  

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