聖地の祈り









序章  星々の錬成
 
 罪は永遠に時の流れに刻む。
 消せるはずのなき重荷を背負う。

 風に靡く白銀の髪。金の瞳は、静かに時の流れを見守る。
 水面に咲く花は、静寂を漂う。
 そこに約束の地があるとも知れず・・。

 彼女は、自由という存在すら知らない。
 ただ人を愛するという事を時間出来た喜びしかない。

 七つの秘宝を持つ精霊はただ平和を願っていた。
 けれども、対をなる魔族にとって精霊の秘宝は邪魔な存在だった。

 七つの秘宝は何処に存在するのかなど知らない。
 ただ時の刻みは滅びを意味していた。

 責務を背負い、今彼女は転生を決めた。
 己の運命を決める。それが彼女のけじめだった。

 その為に彼女は愛する事をやめた。
 そして彼もまた転生の運命を決めた・・。

 互いの存在・記憶を捨てる事を2人は選んだ。
 今、思えば後悔の始まりであったとされる原点。

 2人は、進むべき道を捜し出し見出した。
 過去、未来、現在。不死を持つ精霊は何も願わない。

 果たせぬ約束を2人は誓う。

 例え記憶を失い再会しても愛する気持ちは変わらない。
 互いは、掟を越え運命を選択すると・・。

 それは七つの秘宝を探す目的を見出していた。
 2人の気持ちは同じなのだからと・・。

 けれど・・彼らは、全てを失い・・。
 転生を始めた。最初から目的など失いながらも転生の道を・・。

 魔族と精霊・・その境は何処に・・。
 2人は何も分からない・・定められは歯車・・。

 古の掟を破る・・静寂は静かに始めまりを告げる和音・・。


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Music Box/Relaxation by:過ぎし日