奈落を倒し、犬夜叉一向も殺生丸一向もそれぞれが違う道を歩み出していたのであった。
かごめはいまだに戦国時代と現代の間を行ききしている生活が続いていた。
そして殺生丸は西国へと戻っていったのである。無論、西国でいまだ当主を待つ妻の下にである。
りんは殺生丸の妹として西国に住まうことになっていた。
いや正確には奈落を倒した後、人里にりんを帰すことを殺生丸は決めていた。
けれどりん自身がそれを拒み、「殺生丸様の側にいる・・・。」と言い出したのである。
そんなりんの言葉に殺生丸はあきらめ西国にりんを連れて行くことを決めたのであった。
無論、りんの立場上を考え、殺生丸の母、御母堂と相談した上でりんを養女にし殺生丸の妹としてであった。
皆が皆、それぞれの道を歩み出していた。無論、皆がそれぞれ幸せの道を選択してである。
西国の正妃
日当たりの良い室内ではただ腹部に触れていた。元々、は身体が弱かった為、無理をする事はできなかった。
一度は流産をしている為、再び殺生丸の子を身篭った事を本人に知られてしまい余り無理はできずにいた。
:・・・退屈、外に出たくてもこのお腹じゃ無理出来ないし・・・。
はただ溜め息を吐き続けていたのであった。そんな時であると殺生丸の夫婦の室内にりんが訪れたのは・・・。
邪見はただ溜め息を吐きながら「まぁ〜た殺生丸様にわしが叱られる・・・。」と呟いていたのであった。
:・・・りんちゃん?貴女どうしたの?それにその格好、前に世話役に叱られなかった?
はただりんがの側に座るなり、既に目立って来た腹部に小さな手がそっと添えられたのである。
はそんな可愛い義理の妹を見つめながらその場で「りんちゃん?」と呟いていたのであった。
りん:姉様・・・お願い、私、琥珀やかごめ様達の村に行きたいの!
その言葉には瞬きをし微かに溜め息を吐くと共に邪見を見つめたのであった。
邪見は首を横に振り殺生丸に止められていることをに伝えたのであった。
そんな邪見の様子にはただ溜め息を吐き、いまだに腹部に触れている小さな手を見つめは溜め息を吐いたのであった。
無論、は妖怪といえど身体が弱く、絶対に無理をするなと夫の殺生丸から止められているのである。
:ねぇ、りんちゃん・・・何故、その村に行きたいの?
その言葉にりんはただ「あのね・・・りん、そのお祝いをしたくて・・・。」と告げたのである。
その言葉には以前殺生丸が返事を一時放置していた文を思い出し納得をしたのであった。
無論、その文はりんの方にも届いていたらしく、は微かに溜め息を吐き出したのであった。
その文の内容はも一度は内容を拝見している為、は溜め息を吐いたのであった。
:りんちゃん・・・今、殺が忙しいの理解してるわよね・・・。
:義理の弟でもあるけれど犬夜叉とその仲間の式には今いける状況じゃないのよ・・・。
その言葉にりんはただ「でも・・・。」と呟いていたのである。そんな時であった「何の騒ぎだ?」っと聞きなれた声がしたのは・・・。
は微かに溜め息を吐き、簾の先にいる殺生丸にはただ苦笑をしたのであった。
殺生丸:りん・・・に何か頼んでいたのか?
の表情から微かに理解をしたのかりんの表情を伺ったのであった。
それからりんは微かに「殺生丸様・・・。」とだけ呟き、の側を微かに離れ、その室内から逃げたのであった。
殺生丸:何があった・・・。
殺生丸の表情には微かに溜め息を吐き、殺生丸の机の上に置いてある文を指し示したのである。
その意味に即座に理解をしたのか殺生丸は「今は忙しいから酒宴の席にはいけぬ・・・。」とに語ったのであった。
:でもりんちゃん・・・行きたそうだったわよ・・・。
:私はこの身体だから無理だけれど、せめて仕事を生き抜きして行けないのですか?
そんなの言葉に殺生丸は微かに微笑み「りんには黙っていろ・・・。」とに一通の文を渡したのであった。
はその中身を見るなり「西国で行うつもりですか?」っと溜め息を吐きながら呟いていたのであった。
殺生丸:その方が良かろう・・・妖怪と人間双方誘うのであればな・・・。
その言葉には苦笑をしたが殺生丸の言葉に瞬きをしたのである。
「りんはと私の酒宴は邪見と共に室内で待機させていたからな・・・。」という言葉であった。
:つまり、知人との間でまた行うのですか?私この身体なのに・・・。
の苦笑交じりの言葉に殺生丸は「りんの為だ・・・。」と告げたのであった。
確かにこれまで義理の弟とはいえ殺生丸が婚儀をあげていたことを伝えたのは奈落を倒した後のことだったのである。
無論、犬夜叉一向は皆微かに驚いた様子であったがその後何事もなく普通となってしまったのである。
それ以前は殺生丸と犬夜叉は犬猿の仲だったようだが、父の真実を知った今ではお互いの関係を保ち始めたのはいうまでもない。
はただ殺生丸の考えにただ溜め息を深く吐き「分かりました」と告げたのであった。
けれど、殺生丸は執務に戻る気配はなくの側に座り微かに腹部に触れたのであった。
殺生丸:それに余り無理されては困るからな・・・。
その言葉には「無理はしません」と呟いていたのであった。それからは再度溜め息を吐いた。
それから微かに西国の当主である自らの夫である殺生丸の顔をただそっとは見つめたのであった。
数日後、西国の結界に守られた入り口付近には弥勒や珊瑚それにかごめ、犬夜叉、七宝達が集まっていた。
その結果に入るなり殺生丸やがただ苦笑をしながらも出迎えてくれたのであった。
珊瑚:へぇ・・・西国の当主の屋敷ってりっぱなんだね・・・。でも何で犬夜叉は此処に来ないんだい?
殺生丸とはただ犬夜叉一向の到着を確認するなりその場を離れてしまった為、一向は西国の屋敷を自由に動き回ることができていた。
ただ犬夜叉「うるせぇ〜」といいながら珊瑚の質問を完璧無視したのであった。
かごめ:でもさ、殺生丸、って人を大切にしてるのね・・・だってさ、幸せそうに暮らしてるもの・・・。
かごめの言葉に犬夜叉はただ微かに不機嫌になるしかないのであった・・・。
そんなかごめと犬夜叉にただ珊瑚と弥勒は苦笑するしかなかったのであった。
弥勒:しかし、驚きましたよ・・・まさかあの兄上が此処まで弟想いとは・・・。
その言葉にかごめは「それは違うと思うんだけど・・・。」と弥勒様の言葉を否定したのであった。
無論、珊瑚もその言葉に同意をしていたのであった。そして犬夜叉はまた微かに不機嫌になったのであった。
かごめ:多分、りんちゃんの為じゃないかしら・・・ほら、殺生丸の奥さん、確かさんとの式参加出来なかったんでしょ?
かごめは犬夜叉に同意を求めるように聞いて来た。無論、犬夜叉はかごめの言葉に頷いたのである。
妖怪だけの式に人間が関わればどうなるか半妖の犬夜叉には十分に承知されていたからである。
珊瑚:でも、妖怪にも様々だろ、七宝や雲母のように共存を望む者だっているんだし・・・。
珊瑚の言葉にただかごめは同意をしていたのであった。
そんな珊瑚の言葉に犬夜叉は微かに「ッケ」と呟いたのであった。
弥勒:ま、それはともかく殿には挨拶なさいませんと、入り口では語ることもろくに行えませんでしたので・・・。
その言葉にかごめは「それもそうね・・・。」と呟き、がいるであろう室内へ向かうのであった。
犬夜叉一行は直ぐにのいる場所は分かったのである。無論、犬夜叉の鼻のおかげであるのだが・・・。
:あら・・・皆様、まだ時間はあるでしょうに・・・。
は殺生丸の表情を見つめながら背後にいる犬夜叉一行に気づき苦笑をしたのであった。
殺生丸の膝には疲れていたのかりんが眠っていたのであった。そして殺生丸の側にはが座っていた。
かごめ:さんに聞きたいことがあって・・・そのどうして・・・。
犬夜叉一行が座るなり、かごめは即答での表情を見つめながら聞いてきた。
そんなかごめの質問には首をかしげ夫である殺生丸の表情を見つめ質問をした。
:・・・お話してなかったのですか?
殺生丸の無言の態度と表情には察しが付いたのかその場で溜め息を吐いたのであった。
そして微かに殺生丸の膝で眠っているりんを見つめ、微かに微笑み告げたのであった。
:りんの為と思って下さって構いませんよ。実際妖怪というより・・・。
は微かに溜め息を吐き、殺生丸の側で座っているを見つめたのであった。
無論、そんなの表情を見つめは溜め息を吐きながら犬夜叉一行を見つめ語ったのであった。
:その事だが、殺生丸との間の式、妖狐の当主の式も行ってたんだよ・・・。
:で、俺がまあ、その張本人だが・・・妖狐の中には人間を余り良く思ってない奴らもいるからよ・・・。
ではなくその質問を答えたのは殺生丸の側にいるであった。
そんなの言葉を補うようには苦笑混じりに語ったのである。
:それで、まぁ、りんちゃんには別室で邪見と待機していて貰ったのよ
は殺生丸の膝で眠るりんの髪を微かに撫でてやり、優しい微笑みをしたのであった。
ただ犬夜叉一行にとって疑問に思っていたのかを見つめながら七宝は質問をしたのであった。
七宝:お主、名は何と申すのじゃ・・・見た所、狐のようじゃが・・・。
七宝の言葉には自己紹介をし、七宝に「お前も狐だろ・・・。」と語ったのであった。
そんな言葉に七宝は「まぁ、そうじゃな・・・。」と答えたのであった。
:で、まぁ、今回は身内だけで西国の屋敷で行いましょうという事になったの・・・。
は微かにの表情を見つめ、殺生丸の表情を見つめ今回の案を語ったのであった。
無論、この計画を考えたのは全て殺生丸自身なのだが、犬夜叉自身に殺生丸が語るはずもなく変わりに語ったのである。
珊瑚:成る程ね、妖怪にもいろいろ事情がある訳か・・・それにしても・・・。
珊瑚の言葉には微かに苦笑し、腹部に手を添えたのであった。
そして微かに「無茶はしないから安心して・・・」と珊瑚に告げたのであった。
:それから申し訳ないんだけど、貴方達の事だいたい殺から聞いてるけど・・・。
:改めて自己紹介して貰えないかしら、此処にはまだ初対面もいるでしょう?
その言葉に犬夜叉一行は慌てて自己紹介をしたのであった。
それからも自己紹介をし、は犬夜叉一行と先程自己紹介をしたが再度またしたのであった。
:おぅ、それから子狐、俺の妻のにだけは気を付けな・・・。
その言葉には微かに「あぁ・・・子狐いじりね・・・。」と苦笑混じりに語ったのである。
正確には狐妖術にが興味を持ってしまい、ほぼ子狐にお願いしている程なのであるが・・・。
:正確には、ただ子狐が狐妖術使う姿が可愛いから見惚れてるだけなんだが・・・。
溜め息混じりにはただ七宝を見つめ呆れてしまったのであった。
そんなの言葉に七宝はただ「わ・・分かった・・・。」とだけ呟いたのであった。そして・・・。
:別室に部屋用意されてるから、そこに行けよ・・・実はりん知らないんだよ。
は小声で犬夜叉一行に語り出したのである。
その言葉の確認の為が犬夜叉一行は殺生丸の表情を見つめた。ただ殺生丸は「そうだ・・・。」と告げただけである。
弥勒:そう言う事なら、そこで待機致しましょう。りん殿にはもう少しのお楽しみということで・・・。
弥勒の言葉に犬夜叉、かごめ、七宝、珊瑚達が気がついたのか立ち上がり殺生丸達がいる室内を去っていったのである。
犬夜叉一行達が去った数分後にりんが目覚めたのはいうまでもないことであったのだが・・・。
りん:あれ・・・りん殺生丸様の膝の上で眠っちゃったの?
りんの寝ぼけた表情にはただ苦笑し、「疲れてるなら部屋で休む?」と訪ねたのであった。
その言葉にりんは頷き、は側に控えていた邪見を見るなり、邪見はりんを連れて室内を出たのであった。
:んにしても祝い、言い忘れた・・・おめでとうな・・・。
はただ溜め息混じりに殺生丸とを見つめ語ったのであった。
はただ「有り難う・・・。」と告げ、殺生丸はただの表情を見つめるだけであった。
殺生丸:お前の所はまだなのか・・・・。
殺生丸の言葉にただは「俺まだ彼奴とはそういう関係じゃないの・・・。」と告げたのであった。
それからは自分の祖父にまだが認められてないことを告げたのであった。
:あの方、厳しいですからね・・・私は一度だけお会いしただけですけれど・・・。
のその言葉にただは「いや、微かに認められてるけど・・・。」と呟きまだ祖父には不安があるらしい。
そんなの呟きに殺生丸はただ「時期に認められる・・・。」とだけ告げたのであった。
:ま、それは良いから、もうじき夜ですし・・・酒宴でまた語りましょうか・・・。
は殺生丸との表情を見つめ、微かに微笑みそのように語ったのであった。
時刻はただあっというまに過ぎていってしまったのであった。
殺生丸:りん・・・食事にしよう・・・。
殺生丸のその言葉にりんは微かに瞬きをし、殺生丸の背後からが微笑み顔を出したのであった。
りんはただ首をかしげ疑問を感じたが、大人しく殺生丸との後を追っていったのであった。
犬夜叉:おぅ、来た来た・・・。
いつも食事を行う場所に犬夜叉やかごめが居るのに驚きりんはただ疑問に感じてしまったのであった。
それからはりんの顔を見つめ微笑んだのであった・・・。
:皆様、りんちゃんの為に身内だけで式を挙げるの・・・盛大な式は後だけどね・・・。
とはりんちゃんの表情を見つめ、りんはただ犬夜叉達の表情を見つめたのであった。
そんなりんちゃんにただかごめや犬夜叉は中に入ることを促したのであった。
中に入れば弥勒や珊瑚、七宝、雲母、冥加、刀々斎といった顔見知りがいるのであった。
それからも殺生丸もとが座っている空席の場所に座ったのであった。
かごめ:りんちゃん、ちょっと早いけど・・・りんちゃんの為に皆集まったの、だから今日は祝ってね
かごめの言葉に皆、祝杯の杯を持ったのであった。
かごめの言葉にりんは満面の笑みを浮かべ殺生丸との隣に座ったのであった。
それからは皆食事を楽しみだしたのであった。は酒は飲まず、ただ殺生丸に酒を注いでいるだけであった。
けれど、りんの表情を見つめながらただは微笑んでいたのであった。
時間はあっという間に過ぎてしまい、りんは結局その場で眠りについてしまったのであった。
そんなりんの表情にただは苦笑するだけであった。
ただ静かに西国の正妃であると当主である殺生丸、そして犬夜叉一向はただその日を楽しんでいたのであった。
それから数ヵ月後、と殺生丸の間には無事、男の子が産まれ、との間には子が身ごもったとの話である。
ただ皆それぞれ、幸せな時間を過ごしていった。と殺生丸も互いの道を歩んでいるように・・・・。
|
Music Box/遠来未来-Enrai_Mirai- by:小さな星のやさしい歌 |