この物語は、俺、渋谷有利が魔王になった事から始まった。
変な事に男に求婚を申し込んでしまった俺は、今、絶対絶命の大ピンチになっていた!
私が計画した事を当の兄様達は知らない。そして今、驚いている・・。
だって話したら、魔王様・・うぅ〜ん陛下だって黙っちゃいないでしょう。
それは当然・・だって陛下の過ごした異界では男同士が結婚することは有り得ないのだから・・。
でもねぇ〜陛下は望んで求婚を申し込んだんだから素直に受け入れなくちゃ意味がないのよねぇ〜。
そうあらすじを語れば長いような長くないような結果だった。
:これでOKだね!グウェンダル
私は両手を合わせながら輝きを増してグウェンダルに応えさせた。
当の本人は、黙するしかできずにいる。止められないと察しが付いているようだった。
グウェンダル:本当に・・・や・・る・・の・・かν
彼、グウェンダルの父親違いの妹であるを止める事などできないのだろう。
逆に捕らえればは、楽しんでいるのだ・・。果たして妹は誰に似たのだろうか・・。
:本当だよぉ〜母様にも教えたしぃ〜あ!招待状も多数送ったしぃ〜
この時で妹を止められる者はいないと思ったグウェンダルである。
同様に、その一言から魔界と異界の間に、ただならぬ予感がしたのだった。
第一章 マのつく、波瀾万丈な陰謀
とある昼、とある喫茶店でとある物語が始まりを告げる。
それはこれから起こることの波乱の始まりを告げる合図だったのかも知れない。
:所で気になるんだけどユーリって、ヴォルフラムの事好きなの?
天使のような微笑みで、俺に答えを問いただそうとしている者がいる。
飲み掛けていたコーヒーを俺、渋谷有利こと原宿不利は吐き出してしまった。
理由は簡単である。この異界でだしてはならない者の名があがったからだ・・。
彼女は、そんな事を気にする余裕もなく、ただ平然としている。
有利:ゲホッゲホッ・・・な、なんでヴォルフラムが出てくるんだよ?
は平然と考え事を試みている。
何故か彼女が思っている事は何だったんだろう?俺はそう思った。
:異界なんだから別に良いじゃん!ヴォルフラムが来るはずないしぃ〜
やはり相当には楽しんでいる。むしろそうだろぉ〜!
不思議な事に、それと何か企んでいるような・・企んでないようなぁ〜?
有利:そりゃぁそうだけど、その質問はどうかと思うけど?
俺はの感情を読みきれないでいた。
ヴォルフラムと同じく、白銀の髪はギュンターぐらいに伸びている。
それに美形!挙句、俺は今まで知らずにいたのだ。
は、天使のように俺を見て微笑んでいる。起爆装置を踏まれたのは俺の方だ!
は両手を合わせ、何事か思いついたように返事をしてくる。
:ひょっとして気になる?でもギュンターみたいな事はしないでしょう?
につられて窓の向こう側を見つめる。どうやら俺はずっと気づいていなかったのだ。
喫茶店の外の窓からべったり張り付いて、俺を探しているギュンターに・・まるでタコのようだ・・・。
有利:ギュンターνまぁ、ギュンターはかなり特殊な例だと俺は思う。
:そりゃぁ〜ねぇ〜魔界にいた時に、ユーリについて来るんだもん・・呆れるよ・・。
天使はいまだに起爆装置を俺に踏んでいる。
そう、俺が二十七代魔王に受任してから、この生活が続いているのだ・・。
有利:ははは・・言うねぇ〜ν
そう魔界で、その時、俺は入浴中だった。
普段と変わらずにいたのだ。だがたまたま水の渦に飲まれて・・
有利:うわぁ〜またですかぁ〜
いつものスペースワールド・・。お帰りコースのはずだった・・。
だが、ややっこしい結果となったのは、全てギュンターが始まりだ・・。
ギュンター:陛下ぁ〜
その時たまたまギュンターがいた事が不幸中の不幸だったのかも知れない。
俺を掴んだもののそのまま、俺とともに此方に来てしまったのだ。それから発せられた一言が・・。
ギュンター:っこ・・ここは一体・・。
俺は何も言わずに去ってしまったせいなのか?ギュンターはどうやら必死で探してるようだった。
全ては俺の責任っていうのかぁ〜。こっちに来たらギュンターは次々と憧れの的になるわ・・。
結局いまだに俺を探しているのだ・・。挙句警察まで連れて行かれる所だった。
まぁ〜ギュンターなのだから多少は平気だろうが・・。
:はぁ〜でも、兄様の事だから在りえるかも?私が偶に来る事を知らないしぃ〜
俺はまたまた天使に起爆装置をさせられた。吐き出してしまったコーヒーで咳き込む・・。
それ以上に驚きがある。兄様?はぁ〜まさか?察しが付きながらも応えてみる。
有利:は?お前、ヴォルフラムの妹?って事はツェリ様の娘?は?
の爆発的な発言は俺を惑わせる・・。
冷静に考えていられる訳にはいかないのだ・・。今まで似てねぇ〜三兄弟に妹がいるなんて聞いてねぇ〜ぞぉ〜!
:フフフフフ・・・・
魔女見たいな笑い方だ・・。むしろ性格はヴォルフラム似か?
いやいや・・本当はツェリ様似なのか?頭が痛くなってきた・・・。
その頃の魔界では、ただならぬ気配が彷徨っていた・・。
どんよりした空気が辺りを覆う。城内の気配が不気味なくらいである。
コンラート:ギュンターの姿が見当たりませんね?一体何処へ・・。
先程から城内を行ったり来たりと、うろうろする人物もいる。
流石に、コンラートの一言で我に返ったらしい・・。
ヴォルフラム:そんな事より彼奴もいない!も・・・
流石にの名が出たとき、ますます反応してしまったグウェンダル。顔からは冷や汗が出ている・・。
彼の脳裏からは先日の事を思いだしてしまったのだ。本当に実行すると言い出したことを・・。
グウェンダル:が?嫌な予感がする・・・。
いつものグウェンダルと様子がおかしい。それは当然のことなのだろうか?
がいない方が、余程冷静なようだ・・そうは起爆装置なのだ・・兄妹の中でも完璧。
コンラート:はギュンターよりまだマシです。
:まぁ〜あちらでトラブルでもなければですが・・・。
いつでも有利の名付け親であるコンラートは、に対して過保護しすぎるのだ・・。
それが、例え魔王陛下であろうが、半分しか血の繋がりのない妹であろうがだ・・。
グウェンダル:・・・ないと思うか?
そうとうに妹の存在が恐ろしいようだ。何も問いただそうともしない・・。
過去にそうとうな思いをグウェンダルもギュンターもされているのだ。逆らう方が余計に恐ろしい・・。
ヴォルフラム:はお嬢で美形だ!ギュンターの巻き添えがなくばな・・。
流石わがままプーの解答だ・・。過去の事などお構いなし・・。
この上、グウェンダルにとってはアニシナのように恐ろしい存在には感じるのだ・・・。
コンラッド:ブラコンの上、シスコンか・・・。
その呟きは如何に三男を刺激させたことだろうか・・。
ヴォルフラムからは即座に返答が、コンラートに返却されたのだった。
ヴォルフラム:何か言ったか?
コンラッド:いえ、何も・・・。
その隠し笑いは、弟のヴォルフラムに向けていた。
挙句、ヴォルフラムは妹を探し続けている。コンラートは何処となくその様子を楽しんでいる。
グウェンダルは先程から、ずっと焦っている様子を皆に感じさせた。
まるで妹の存在に焦りを感じているようだった。いつもの修正で手が編み物をする動作になる・・そして・・
グウェンダル:そう思うのでは、確かめに行けば良いではないか?
ヴォルフラム:お前が行け!
此方も此方で、同様に、天使の起爆装置を踏んでしまったようだった。
絶命、兄妹の間ではの事は小悪魔なのだ・・。何かしろ起爆装置が入る・・。
グウェンダル:は?ヴォルフラム、私にはまだ仕事が残っている。そんな暇はない。
真面目がとりえのグウェンダル。けれども妹の存在は相当に恐ろしいものだ。
グウェンダルの心の中で、何かが起爆していたのだった。
ヴォルフラム:仕事といって、編み物でもしてるんじゃないの?
グウェンダル:なっ!?・・・そんなことはない。
ヴォルフラムの問いに反応してみるが、返答力不足・・。
グウェンダルは既に、手が動いているのだ。その手の動きは手馴れていている。
コンラート:ヴォルフラムもいたい所をつく・・・。
コンラートは流石に、兄妹の中でも冷静な判断をしていた。
流石にこの二人の関係にはもうなれている様子だった。
グウェンダル:い、いたくなどないぞ
ヴォルフラム:その割には目が溺いでますよ兄上
天使二人組みは本当に起爆装置らしい。
グウェンダルは相当迷っているらしい・・むしろ困惑より知られたくなかったらしい。
グウェンダル:誰から聞いた・・・。
ヴォルフラム&コンラート:・・・・。
どうやら相当に、グウェンダルにとっての起爆装置を踏んでしまったようだ。
まさかだった。冷静さを完璧になくしかけている・・。
ヴォルフラムのみであったと考えをしていたのか、コンラートまで知っているのだ。
普段ならば、コンラートはすべて見透かしているように知らない振りをしているからだ・・。
嫌な気配が辺りを漂う・・標的は既に天使と過保護・・。
グウェンダル:か・・・
呆れがちだろうが、既にもう天使と過保護よりも恐ろしい小悪魔が伝達したのだ・・。
既に納得状態であった。何処からかいまだに忘れていない先日の話を・・。
平然と兄妹の話は続いていく・・・。そんな時だった。
アニシナ:さて、誰が異界に行きますか?
グウェンダル:アニシナ!?!?
グウェンダルは既にの件があるのか経験上で女に敏感になり始めていた。
流石に驚くのも無理はないのだろうが・・。
コンラート:いつから聞いてたんですか?
一番まとうな質問だろう。コンラート達のいる部屋に入ってくる者などいなかったのだ。
それ以前に扉が開かれた音も聞こえずにいたのだ・・。
アニシナ:最初から聞いてましたよ?
アニシナは微笑んでいる。何故か最初からいる素振りも忘れない。
その存在が何よりも恐ろしい・・。そして何よりもう一人の起爆装置なのだから・・。
グウェンダル:聞いてないふりをするのが、得意だな・・
流石のグウェンダルは女性に敏感になり始めてしまったらしい。
アニシナにも敏感さが回り始めてしまったようだ・・。
コンラッド:さて、そろそろ誰かが行かないと、城をヴォルフラムに壊されますよ?
相当に、コンラートは楽しんでいる様子だ。
流石のヴォルフラムは、会話には既に敏感になりつつあるようだ。
ヴォルフラム:僕はそんなことをしない。
怒りが頂点に達しているのは、いつもよりも冷静さがなくなり始めているのが皆にはわかり始めている様子だった。
それを知っていながらアニシナは、会話を続ける・・。やはり予め語ると起爆装置・・。
アニシナ:むしろ妹が気になるのでは?
どうやらグウェンダルは様子を伺っているのにも限界が達しているようだった。
そして・・とうとう・・。
グウェンダル:貴様が行け!ヴォルフラム
妹に対してどうやら敏感さが増し、怒りを達してしまったようだった。
それは、ヴォルフラムも同様な気持ちであり・・。
ヴォルフラム:何故僕が行かなくてはならないんですか。
どうやらこの二人の関係を止めることができるのはもう一人しかいないようだ。
ため息交じりに、コンラートは会話をする。
コンラート:気になっているのなら自分の目で確かめた方がいいですよ?
:ユーリもいることでしょうし
ヴォルフラムはコンラートの言葉にぎくしゃくしているようであった。
何を考えても明らかに、この場の全員の意見が一致しているのだ・・。
いわれるまでもなく、ヴォルフラムは魔王陛下または婚約者である、渋谷有利のいる異界へと行くはめとなった。
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Music Box/TAM Music Factory 多夢 by:異国の旅路 |